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国際
【宮家邦彦のWorld Watch】嫌露のグルジア 「ジョージア」と呼んで
2013.12.12 12:05
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ジョージア人のロシア嫌いは徹底している。トビリシに軍事博物館はないが、代わりに「ソ連占領博物館」がある。彼らはソ連時代の1921~91年を占領の70年間だと思っている。それだけではない。2008年にはロシアと武力紛争が勃発し、西部のアブハジアと中央部の南オセチアが“独立”状態になった。ロシアの「占領」は今も続いているというのがジョージア人の認識なのだ。
四方を海に守られた日本では想像しにくいが、陸続きの国境があるこの国で「占領」は日常的現実だ。トビリシから1時間ほど車で走れば南オセチアとの「国境」の村に着く。ロシアが最近設置した鉄条網は村を二分している。南オセチア側の小高い丘にはなぜかFSB(ロシア連邦保安庁)の国境警備隊が24時間監視を続けている。ジョージアは今もロシアの南下政策と対峙(たいじ)する最前線だと痛感する。
この人口わずか450万人の小国に米国は外交官数百人人ともいわれる巨大な大使館を構えている。カフカスにはジョージアの他、キリスト教のアルメニアとイスラム教のアゼルバイジャンがある。ソ連崩壊後独立した両国は対立したままだ。米国にとってジョージアはカフカスでの一大拠点なのだと実感した。
トビリシから東アジア情勢を見ると、今まで見えなかった切り口が見えてくる。ここでは3点のみ指摘したい。
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