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東日本大震災(ニュース特集)

三陸鉄道車両を解体 被災後も憩いの場

 解体される三陸鉄道の車両に手を触れる、開業時に車掌として乗った社員の吉田哲さん=13日、岩手県大船渡市の南リアス線盛駅

 東日本大震災の津波で壊れた三陸鉄道の車体3両の解体が14日、南リアス線盛駅(岩手県大船渡市)の構内で始まった。3両では被災後もカラオケ大会やお茶会が開かれ、住民の憩いの場となっていた。

 1984年の開業時から稼働していた3両は、住民の足として、これまでに各両200万キロ以上を走行した。盛駅に停車中に津波に遭い、車輪が水に漬かって電気系統が故障。修理や保存は高額な費用がかかるため断念した。

 震災前は、走行する車内で乗客がのど自慢をする「歌声列車」が人気で、被災後も止まったままの車両内で、カラオケ大会などが催されていた。

 大船渡市の無職伊勢公彦さん(65)は「海を眺めて歌うのは最高だった。思い出の電車で、震災を伝えるためにも残してほしかった」としみじみ。開業時に車掌として乗った社員の吉田哲さん(49)は「わが子であり、パートナー。本当にお疲れさま」と車体をなでた。

 盛駅と釜石駅を結ぶ南リアス線は津波で線路や橋脚が流失し、全線が不通となった。来年2月に新しい車両が納入され、来年4月に盛―吉浜間の運転を再開する予定。

(2012年11月14日)


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■「感動届ける」石巻工主将 選抜高校野球大会が開幕

 第84回選抜高校野球大会は21日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕した。開会式では、東日本大震災で被災しながら、21世紀枠で選出された石巻工高(宮城)の阿部翔人主将が「日本が一つになりその苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。だからこそ日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう。日本の底力、絆を」と力強く選手宣誓した。


選手宣誓全文

 選抜高校野球大会の開会式で、石巻工高の阿部翔人主将が行った選手宣誓の全文は次の通り。

 宣誓。東日本大震災から1年。日本は復興の真っ最中です。被災をされた方々の中には苦しくて、心の整理がつかず、今も当時のことや、亡くなられた方を忘れられず、悲しみに暮れている方がたくさんいます。人は誰でも、答えのない悲しみを受け入れることは苦しくてつらいことです。

 しかし日本がひとつになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。だからこそ日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう。日本の底力、絆を。われわれ高校球児ができること。それは全力で戦い抜き、最後まで諦めないことです。今野球ができることに感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。


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