ブラック企業の“追い込み手口” ルーツはIBMだった
2013年11月25日 掲載
イジメは見せしめ/(C)日刊ゲンダイ
ブラック企業アナリストの新田龍氏が言う。
「日本IBMは08年、全社員を5段階に分類し、下から2番目までの下位15%、数にして1500人を3カ月で退職させるという大規模な退職勧奨を行いました。その中で、上司による人格否定や威嚇行為、誹謗(ひぼう)中傷などの人権侵害を伴う『退職強要』があったとして、社員4人が人権侵害を伴う退職強要の差し止めと損害賠償を求めて提訴。ところが、地裁では訴えが認められませんでした。ブラック企業は、この結果を“下敷き”にして知恵をつけたのです」
会社が「社員の評価が低いこと」を理由に退職勧奨するのは違法ではないし、逆に退職勧奨された社員が従わなければいけない義務もない。では、何が問題かというと、社員が退職勧奨を断った後も、“執拗に”退職を迫ったかどうか。極めてあいまいな線引きで、裁判所の判断も分かれやすい。