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【スポーツ群像】32歳の村主章枝、ソチ五輪逃しても現役続行 フィギュア
フィギュアスケート女子で2006年トリノ五輪4位の村主章枝(Kappa)は11月4日に閉幕した東日本選手権で総合11位に終わり、ソチ五輪最終選考会を兼ねた12月の全日本選手権進出を3年連続で逃した。今年の大みそかで33歳。「氷上のアクトレス」と呼ばれた銀盤の表現者はそれでも、「自分が目指す演技ができるまで続けたい」と再出発を誓った。(田中充)
ソチ五輪への道が絶たれても進退に迷いはなかった。「もう少しきちんと考えたいとは思うが、スケートは一生のもの。本心としてはまだまだ続けたいと思っている」。村主の口から出た言葉は、現役続行への意欲そのものだった。
女児を出産して復帰した安藤美姫(新横浜プリンスク)に注目が集まった大会で、村主も必死に戦った。3日のショートプログラム(SP)で9位と出遅れると、4日のフリーでもジャンプでミスが出て12位に終わった。自身が5度の優勝経験がある全日本に出場できるのは5位まで。かつてのトップスケーターはこの時点で、バンクーバー大会に続いて2大会連続で五輪を逃した。
競技生活は27年目を迎えた。16歳で全日本初優勝。豊かな表現力で氷上を舞い、日本女子で初めてグランプリファイナルや四大陸選手権を制した。五輪にも2大会出場し、世界選手権は銀1、銅2個を獲得した。
今季は6月にスポーツウエア製造販売のフェニックスに入社し、7月に新所属先が「Kappa」に決まった。拠点も好環境が整うカナダに移し、「家とリンクと(トレーニング)ジムの往復だけ」とスケートと向き合って臨んだシーズンだった。同世代の女性たちからの「頑張って」という声も励みになった。
28歳の鈴木明子(邦和スポーツランド)や25歳の安藤、9歳下の浅田真央(中京大)ら「次世代」だったはずのスケーターも今季限りで現役を退く。それでも、村主にとってソチ五輪への挑戦は、一つの区切りに過ぎない。「もっと上手になりたい気持ちがすごくある」。6歳で始めたスケートへの情熱はまだまだ衰えを知らない。(田中充)
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