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アプガの現在地(仮)2013.8
〜横浜BLITZ完売御礼〜
「完売御礼」 ライブ開始前のオープニング映像に出てきたこの文字に、会場が大きく沸いた。定期公演を除けば2012年9月2日の初のワンマンライブ「代官山決戦」以来の完売御礼。だが会場は代官山UNITの何倍も大きい横浜BLITZ。今思えば、この言葉がこの日のことを全て表していた。完売、御礼。ああ、なんと気持ちのよい言葉なのだろう! アプガは4月にも横浜BLITZの舞台に立った。彼女たちのハロプロエッグとしての卒業公演から、約2年半ぶりに帰ってきた、再び立てた、この場所。でも、そのときは完売&満員とはならなかった。もちろん舞台に立てたことが大きな意義だったし、彼女たちにとっては、一から立ち上げ、自分たちの力で頑張ってきたグループとして帰ってこられたことは、とても大きかったと思う。だが、完売しなかった。 その事実は、彼女たちの中には感動の一方で、無念として残っていたのは事実だったようだ。あずが「前回は後ろの方が空いていたのが気になっていたけれど、今回は完売ということでいっぱいのお客さんの前でやれてうれしい」と言っていたのが印象的だった。彼女たちの前回公演からのこの4ヶ月というのは、ある意味この日のためにあった。 そして迎えた「横浜BLITZ完売」。 ついに叶った念願。でも、それは彼女たちの力だけではない。ファンにも支えられて、そして最近アプガに興味を持ってこの日初めて来てくれた人たちのおかげ。つまり、ゆえに、「完売“御礼”」。 でも、御礼というのは実は他にも向けられていた。小夏っちゃんの「6年間育ててくれた横浜BLITZに恩返しができました」の言葉にハッとした。彼女にとってはハロプロエッグ時代の2007年から立ち続けてきたステージ。それは、最初はそこに立つことを夢見た憧れのステージとして、そしてハロプロエッグ時代は立つことで成長してきたステージとして。そしてアプガとしては、リベンジという目標の地になったことで育てられたステージ。 そこに、古川小夏として成長した姿を見せる、ということが、彼女にとっては何よりの恩返し、だったのだろう。そして別れのステージに、満員という形で花を添えることができた。ある意味、凱旋公演だったのかもしれない。 それぞれの横浜BLITZへの思いから、メンバーは「自然な喜び」にあふれていた。この日のステージで何より感じたのは、彼女たちが喜んでいて、そしてなにより「この瞬間が楽しい!」という、なによりの充実感だった。そして、その様子が自然とファンに伝わり、ファンもその思いで声を出したり手を叩いたりして、彼女たちに応える… お互いの歓喜による一体感。この日の横浜BLITZはそんな空気に包まれていた。 |
ただ。感じたのはそれだけではなかった。 それは、彼女たちがすっかり曲を自分たちのものにしている、ということだった。彼女たちは今まで、曲に依存している部分もあった。テンポの速い曲、戦う姿勢を前面に出した詞、振り付け、そして森ティの「3、2、1」などのネタ… だが、何度か見てきた「サバイバルガールズ」での、この日の彼女たちは、完璧に曲を自分たちのものにしていた。 それは、やはり第二章を通しての成長の証、ではなかっただろうか。彼女たちは第二章として「表現力」を挙げた。そして今までにたくさんのライブ、イベント、そしてROCK IN JAPANなどのロックフェス出演、と、いろんなステージを経験してきた。それが、全てこの日のステージに集大成として表れていた。 |
何より、この日掲げられた「(仮)」の旗が何より示していた。第二章のライブ・イベント会場あちこちで置かれた旗。そのたびにファンによって書かれた寄せ書きは、まさにメンバーとファンが共に歩んできた第二章の足跡、だった。 そしてそれは同時にメンバーの成長の証だった。その中で特に大きな印象を残したのは… この日の最後のMCは、あず→佐保ちゃん→まぁな→みーこ→森ティ→小夏っちゃん→あやのんという順だった。涙を流す人も多く、しんみりとした雰囲気にもなった。しかも小夏っちゃんは6年間育ててくれた横浜BLITZへの恩返しを語ると、涙が止まらなくなった。 そんな状況で順番が回ってきたのがあやのん。前の人が大泣きしている、しかもトリを飾るというのはキツい。自分ももらい泣きしてしまう、言いたいことは先に言われている…。ところがこの日のあやのんは、もう、そんなことは関係なかった。 「3日前からニヤニヤが止まらなかったんです。今日は朝からテンションがフィーバーしてしまいました」。 メンバーが順にMCで語っているときも、どこかあやのんは堂々としていた。そこには余裕すら漂っていた。「ああ、トリを飾るけれど彼女は大丈夫だな」そんな予感がしていたが、まさにその通りだった。 この夏彼女は大きく成長した。煽り隊長という、かけがえのない武器を手に入れた。7月23日に行われたリリースイベントでこう宣言したのが何より印象的だった。「この夏、私がアプガを引っ張るくらいの気持ちで頑張ります!」 その宣言通り、だった。 彼女は武器を手に入れた。だから、もう動じることなく、余裕だったのだ。「ニヤニヤが止まらない」という気持ちはよくわかる。今までの苦労とか、迷いとか、そういうものが全て取り払われて「行ける!」という根拠のない自信が生まれると、なぜか、笑える余裕が出てくるのだ。それは、滅多にあるものではないし、ただ、間違いなく言えるのは、ものすごく苦労しないと得られないものである。きっと、この日の彼女はまさにそうだったのだと思う。手に入れた、のだ。 |
そんなMCに続けて披露された最後の曲は「サマービーム!アプガの夏 MIX」。ヒットメドレーでもあったが、メインとなっていたのはもちろん「サマービーム!」。この曲では最後に「ラーラーラー」というコーラスがあるのだが、そこで、自然と観客同士が肩を組みだした。最初は最前列が。そしてやがて後ろの列にまで。会場が一体になって肩を組んだ。 これは、私にとっては高崎公演で初めて見た光景だったのだが、そのときは最前列から数列だけだった。それが、この日はそれが一気に広がっていった。しかもそれは何もメンバーが肩を組んだからファンもマネをした、というものではない。 メンバーは、この部分をアカペラでずっとやりたかったと言っていた。この日それが叶った。しかも、みんなで合唱するだけでなく、肩を組んで… 満員の横浜BLITZで、会場が一つになって、響き渡る「ラーララー」。そうか、これが、アプガの現在地なんだな、と。そう思ったときにあやのんの言葉を思い出した。「満員だけが全てじゃない。みんなと熱い時間を過ごせたことがなによりです」 メンバーによる自然発生の笑顔と、ファンによる自然発生の一体… |
今までは、一生懸命、全力で熱いステージで魅せる彼女たちに、ファンも同じように応えていた。でも、この日はそこに「心からの歓喜」が加わった。横浜BLITZ最終公演を満員で埋められたこと、そして第二章を通してのメンバーの成長。 かけがえのない時間が、流れていた。 ただ。 この日はまだ「第二章開戦ツアー」の初日である。7日(土)は大阪、8日(日)は名古屋、そして16日(月・祝)は赤坂BLITZと続く。この日がファイナルなのではない。スタートなのだ。でも、そんなことをわかっていたのはなにより彼女たちだった。「もっとすごいグループになる」(新井愛瞳)「もっとすごい景色を見たい」(佐保明梨)。 彼女たちはまだまだ上を見ている。 だから私も言いたい。 「アプガはまだこんなもんじゃねえぞ!」 |
■アップアップガールズ(仮)1stライブハウスツアー アプガ第二章(仮)開戦 9月7日(土)17:00OPEN/18:00START 〜大阪決戦〜 大阪・umeda AKASO 9月8日(日)16:30OPEN/17:00START 〜名古屋決戦〜 愛知・名古屋クラブクアトロ <追加公演> 9月16日(月・祝)赤坂BLITZ 2回公演(1回目14:00/2回目18:00) 〜赤坂決戦〜 東京・赤坂BLITZ |
アップアップガールズ(仮) |
左から新井愛瞳、森咲樹、佐藤綾乃、仙石みなみ、関根梓、佐保明梨、古川小夏 |
アップアップガールズ(仮)公式サイト http://www.upupgirlskakkokari.com/ ※過去のインタビュー・特集記事一覧 アップアップガールズ(仮)ロングインタビュー「アプガの現在地(仮)」2013.5編 http://music.biglobe.ne.jp/special/uugirl/201305.html インタビュー「アプガの現在地(仮)」2013.6編 http://music.biglobe.ne.jp/special/uugirl/201306.html インタビュー「アプガの現在地(仮)」2013.7編 http://music.biglobe.ne.jp/special/uugirl/201307.html アップアップガールズ(仮)インタビュー「アプガの現在地(仮)」 2013.7 TIF直前編 http://music.biglobe.ne.jp/special/uugirl/201307-3.html アプガの現在地(仮)特別編 アプガとファンと、まぁなの現在地(仮) http://music.biglobe.ne.jp/special/uugirl/20130814.html |
■リリース情報
アップアップガールズ(仮) 両A面シングル 「SAMURAI GIRLS/ワイドルセブン」 発売日: 2013年9月4日(水) 品番: TPRC-0053 価格: \1,000(税込) 収録楽曲: 1、SAMURAI GIRLS 作詞・作曲・編曲:michitomo 2、ワイドルセブン 作詞:オノダヒロユキ 作曲・編曲:mochilon 3、SAMURAI GIRLS(Instrumental) 4、ワイドルセブン(Instrumental) |
【DVD】 アップアップガールズ(仮) THE DVD 〜ミニMV集 おまけつき〜
発売日: 2013年8月28日(水) 品番: TPRD-0006 価格: \1,800(税込) 収録楽曲: 1、アップアップタイフーン(Music Video) 2、アッパーカット!(Music Video) 3、アップアップタイフーン(↑↑アゲテケVer.) 4、アッパーカット(Dance Shot Ver.) 5、SAKURA DRIVE(late spring Ver.) 6、アップアップタイフーン/アッパーカット!MV撮影に密着! 収録分数:約56分 |
DVD「アップアップガールズ(仮) 3rd LIVE横浜BLITZ大決戦(仮) (2枚組)」
発売日:2013年7月31日(水) 品番:TPRD-0005 価格:\6,000(税込) <収録楽曲> 1. あの坂の上まで、 2. イチバンガールズ! 3. マーブルヒーロー 4. SAKURA DRIVE 5. メチャキュン?サマー( ´ ▽ ` )ノ 6. カッコつけていいでしょ! 7. バレバレI LOVE YOU 8. 夕立ち!スルー・ザ・レインボー 9. ナチュラルボーン・アイドル 10. リスペクトーキョー 11. サバイバルガールズ 12. shooting star 13. チョッパー☆チョッパー 14. UPPER ROCK 15. お願い魅惑のターゲット 16. アッパーカット! 17. End Of The Season 18. Next Stage 19. ストレラ!〜Straight Up!〜 20. サイリウム |
■アップアップガールズ(仮)1stライブハウスツアー アプガ第二章(仮)開戦 9月7日(土)17:00OPEN/18:00START 〜大阪決戦〜 大阪・umeda AKASO 9月8日(日)16:30OPEN/17:00START 〜名古屋決戦〜 愛知・名古屋クラブクアトロ <追加公演> 9月16日(月・祝)赤坂BLITZ 2回公演(1回目14:00/2回目18:00) 〜赤坂決戦〜 東京・赤坂BLITZ ■ライブ・イベント情報まとめ 7月14日(日) 「サマービーム!/アップアップタイフーン」発売記念イベント TOWER RECORDS難波店4F(予約イベント) 7月14日(日) the GIRLS' FESTIVAL eve vol.2 7月15日(祝) 映画「讐 〜ADA〜」審判イベント付プレミア上映 7月19日(金) 有)申し訳アフタヌーンSP@代官山UNIT 7月21日(日) TBC夏まつり2013 絆みやぎ〜ONE Heart〜 7月23日(火) 「サマービーム!/アップアップタイフーン」発売記念イベント マルイシティ渋谷 7月24日(水) 同発売記念イベント MEGA WEB トヨタ シティショウケース1F MEGAステージ 7月25日(木) 同発売記念イベント タワーレコード新宿店 7月26日(金) 同発売記念イベント アリオ亀有 7月27日・28日(土日) TOKYO IDOL FESTIVAL2013 7月30日(火) 2.5D決戦!! ~夏の陣~アップアップガールズ(仮)× PandaBoY × michitomo × UKYO Inaba 8月3日(土) ROCK IN JAPAN FESTIVAL 8月8日(木) GateEight 8月10日(土) IDOL NATION 2013 8月11日(日) NHK@秋葉原 「NHK WONDER LAND2013」Rの法則〜ネオアイドル大集合!〜 8月11日(日) サマーソニック 8月13日(火) 〜長野凱旋〜 長野・CLUB JUNK BOX NAGANO 8月14日(水) 〜高崎凱旋〜 群馬・高崎club FLEEZ 8月15日(木) 〜熊谷決戦〜 埼玉・HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1 8月16日(金) 〜宇都宮決戦〜 栃木・HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2 8月17日(土) 〜プロレスの進歩と調和〜 両国国技館 8月20日(火) 〜豊橋決戦〜 愛知・豊橋club KNOT 8月22日(木) 〜神戸決戦〜 兵庫・神戸ウィンターランド 8月23日(金) 〜京都決戦〜 京都・KYOTO MUSE 8月25日(日) ジモドルフェスタ2013 SUMMER 8月31日(土) 〜横浜リベンジ決戦〜 神奈川・横浜BLITZ 9月3日(火) 「SAMURAI GIRLS/ワイドルセブン」発売記念イベント ダイバーシティ東京 プラザ フェスティバル広場 9月4日(水) 同発売記念イベント マルイシティ渋谷 1F店頭プラザ 9月5日(木) 同発売記念イベント 池袋PARCO本館屋上 9月6日(金) 同発売記念イベント 池袋サンシャインシティ 噴水広場 9月7日(土) 〜大阪決戦〜 大阪・umeda AKASO 9月8日(日) 〜名古屋決戦〜 愛知・名古屋クラブクアトロ 9月14日(土) AOMORI ROCK FESTIVAL '13〜夏の魔物〜 9月16日(祝) 〜赤坂決戦〜 東京・赤坂BLITZ 9月22日(日) イナズマロック フェス 2013 10月4日(金) 「讐〜ADA〜」DVD&BD発売記念トークイベント&ミニライブ&握手会 10月13日(日) HOT WAVE推し事祭2013 東京・赤坂BLITZ 11月4日(祝) JAPAN POPCULTURE CARNIVAL 2013 松戸森のホール21 11月10日(日) NAGANO IDOL BOX 長野CLUB JUNK BOX 12月15日(日) T-Palette感謝祭 2013 ラフォーレミュージアム六本木 |
アップアップガールズ(仮)メンバー紹介 @メンバーカラー A愛称 B生年月日 C出身地 D子供の頃に憧れていたアイドル(敬称略) |
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仙石みなみ |
古川小夏 |
森咲樹 |
関根梓 |
@赤 Aみーこ B1991年4月30日 C宮城県 Dモーニング娘。の石川梨華 |
@ピンク Aこなっちゃん B1992年6月5日 C神奈川県 Dモーニング娘。の後藤真希、安倍なつみ、高橋愛 |
@Green Aもりてぃー B1993年10月12日 C神奈川県 Dモーニング娘。の安倍なつみ |
@オレンジ Aせっきー B1996年6月14日 C長野県 Dモーニング娘。の新垣里沙 |
新井愛瞳 |
佐藤綾乃 |
佐保明梨 |
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@青 Aまぁな B1997年11月19日 C群馬県 Dミニモニ |
@紫 Aあやのん B1995年1月7日 C神奈川県 Dモーニング娘。の高橋愛 |
@黄色 Aあかり B1995年6月8日 C東京都 D松浦亜弥 |
■アップアップガールズ(仮)のニュース記事一覧
取材・文/有本和貴(BIGLOBE MUSIC編集長)
プロフィール写真撮影/大井恵介(嫁コレアイドルプロデューサー)