【山口史朗】東北地区の4校目は「東北絆枠」として、秋季東北大会8強の山形中央が「逆転」で選ばれた。
記念大会枠として設けられた東北絆枠。その選考基準を、同地区選考委の相沢孝行委員長は「一般選考の中に含めながらも、何かキラリと光るものを持っているチーム」と説明した。
山形中央と争ったのは、同じ県の酒田南や光南(福島)など。酒田南は秋季県大会で山形中央に勝って優勝し、東北大会でも4強入りしていた。だが、相沢委員長は「山形中央は2010年に21世紀枠で出場して以来、野球で躍進しているだけでなく、地域に密着したボランティア活動など学校を挙げて人間力向上に取り組んでいる」とした。
野球の実力以外も評価対象とする、選抜大会の特徴が色濃く表れた選考と言える。
地区大会でのコールド負けが議論の対象になったのは九州だ。創成館、尚志館はいずれも準決勝でコールド負け。上位校に善戦した熊本工や宮崎日大との争いになったが、準々決勝までの戦いぶりが評価され、4強の2校が選ばれた。創成館は前回も同じように4強入りしながら涙をのんだだけに、悲願の初出場となった。
関東・東京の残り1枠は、関東大会で優勝した浦和学院を苦しめた前橋育英(群馬1位)と東京2位の早稲田実の比較になったが、投手力で上回る早稲田実が滑り込んだ。近畿6校目の大和広陵、中国3校目の岩国商、四国3校目の済美も「投手が良く、安定した戦いができる」点が評価された。
21世紀枠は史上最多の4校。20年ぶりの出場となる土佐は、2001年に21世紀枠が創設されて以来、私学として初めて選ばれた。特待生制度がない中で学業と野球を両立させている点や、かつて甲子園をわかせた「全力疾走」を現在も徹底している点が好印象を与えた。
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。