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'13/3/28

「GSゼロ高速」ガス欠懸念


 30日に全面開通する中国横断自動車道尾道松江線の松江自動車道(全長71・6キロ)は、本線上にガソリンスタンド(GS)がない「GSゼロ高速」。沿線にもGSは少なく、ガス欠による車の立ち往生が懸念される。松江道に入る前の十分な給油が欠かせない。管理する中国地方整備局は、一般道のGSに誘導する看板の設置を検討する。

 三次市の三次東ジャンクション・インターチェンジ(JCT・IC)と松江市の宍道JCTを結ぶ松江道は30日、三次東JCT・IC―吉田掛合IC(雲南市)間の48・7キロが開通し、開通済み区間と合わせて全通する。

 三次東JCT・IC―三刀屋木次IC(雲南市)間は国と広島、島根両県が費用を分担する新直轄方式で建設され、通行料金は無料。自由に一般道と行き来できる一方、コスト削減でサービスエリアはなくGSもない。

 西日本高速道路中国支社が管理する有料区間の三刀屋木次IC―宍道JCT間も採算性がネックとなり、GSが設置されていない。2014年度全通の尾道自動車道も新直轄方式で建設されるため、尾道松江線は137・2キロの全線にGSが一つもない高速道路となる。

 故障車の救援などに当たる日本自動車連盟(JAF)中国本部の正木辰也副指令室長は「通行量が増す5月の大型連休は、燃料不足になった車からの給油要請が殺到するのでは」と話す。

 広島県トラック協会の久文憲一常務理事は雪による冬場の事故を懸念。「事故の渋滞に巻き込まれ、燃料切れとなる車が出る恐れがある。一般道のGSの位置を知らない運転手が多い」と心配する。

 松江道と同様に新直轄方式で建設された中国横断自動車道姫路鳥取線の鳥取自動車道(62・3キロ)では、兵庫・岡山県境の8・8キロを残して開通した10年4月以降、昨年11月までにガス欠による車やトラックの立ち往生が22件発生した。

 そこで整備局は昨年4月、一般道のGSへ誘導する看板4枚を、中間点にある智頭IC(鳥取県智頭町)付近に設置した。整備局は松江道にも一般道のGSに案内する看板設置を検討するものの、「IC近くや沿線にGSがなく、悩ましい。松江道に入る前に十分な給油を促す看板の設置を考えたい」としている。




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