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環境省黄砂飛来情報ページ(リニューアル版)の運用が開始されました

平成20年3月掲載

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黄砂はこれまで、中国大陸の内陸部の乾燥地帯で巻き上げられた土壌の粒子が、偏西風に乗って日本に飛来する自然現象であると考えられてきました。しかし、近年の黄砂現象の大規模化は、森林減少や砂漠化といった人為的な影響との関連性も指摘されており、黄砂に対する国民の関心も高まっています。環境省は、黄砂飛来状況を分かりやすく提供するため、国内外に設置された最新の黄砂観測装置であるライダー装置を用いて、リアルタイムの黄砂飛来情報を提供するホームページを昨年試験的に運用しましたが、今シーズンから内容をリニューアルし、運用を始めています。

黄砂飛来情報ページ

黄砂飛来情報ページ

画像をクリックすると「黄砂飛来情報ページ」が立ち上がります。

黄砂の飛来状況をリアルタイムで観測

黄砂は主に西日本や日本海側で多く観測されますが、気象条件によっては東日本や北日本にも飛来します。黄砂は、自動車や洗濯物を汚すだけでなく、大規模なものになると交通機関の運行に影響を与えることもあり、また、韓国では黄砂による目や呼吸器系への影響が報告されるなど、年々黄砂に対する国民の関心は高まっています。

環境省では、レーザー光を用いて大気中の粒子状物質を観測するライダー装置(LIDAR:Light Detection And Ranging)を研究機関等の協力を得て国内外に設置し、黄砂の飛来状況をリアルタイムで観測する黄砂モニタリングネットワークの整備を進めてきました。

黄砂飛来情報ページは、このモニタリングネットワークにより観測されている黄砂飛来情報を、環境省ホームページ上で分かりやすく提供するため開設されたもので、平成19年4~5月の試験運用を経て、平成20年2月末よりリニューアルしたページの運用が開始されました。

黄砂の濃度を地図の上に分かりやすく表示

これまでの黄砂観測は主に目視(目で見て判別)でしたが、ライダー装置により定量的な黄砂観測が可能となりました。黄砂飛来情報ページでは、黄砂の濃度、上空の黄砂の分布状況、観測地点ごとの日・時間変化の様子等を提供し、データは1時間ごとに更新されます。

黄砂を観測するライダー装置は、日本国内に12か所、韓国に1か所、モンゴルに3か所設置されており、それぞれの観測地点の情報をネットワークで共有しています。ホームページでは、これらの各観測地点における黄砂の飛来状況を円柱を用いて分かりやすく表示しています。

黄砂飛来情報ページ

資料提供:環境省

環境省黄砂飛来情報ページの主な提供情報

  1. 黄砂濃度:地上付近(地上から上空1kmまで)の間の黄砂の平均濃度が円柱で表示されます。
  2. 黄砂高度分布図:観測地点ごとに、地上から上空6kmまで(曇天時は雲の下まで)のリアルタイムの黄砂の分布状況が表示されます。
  3. 黄砂濃度の日・時間変化図:観測地点ごとに、過去12時間分及び7日分の平均濃度の変化がグラフで表示されます。
  4. 浮遊粒子状物質(SPM)観測データを利用した付加情報:ライダー観測データ及び一般大気環境測定局で観測されたSPMデータを用い、地上付近の黄砂が多く、SPM濃度が環境基準を超過した際、該当地点上にキャラクターが表示されます。
  5. 黄砂予想分布図:モデル計算による北東アジア地域の黄砂の濃度分布が表示されます(国立環境研究所と九州大学が共同研究の一環として提供(CFORS))。

*平成19年4月に公開された試行運用版については、旧バージョンとして同ページからご覧いただけます。

黄砂の多く飛来するシーズンは、例年2月から5月までで、4月にピークを迎えます。洗濯物を干すときなどの参考に、ぜひ環境省黄砂飛来情報ページをご活用ください。

偏西風に乗って大陸から飛んでくる黄砂

黄砂は、中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原などの乾燥地域で風によって巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛んでくる自然現象です。中国大陸では、黄砂は農作物や人々の生活にしばしば重大な被害を与えます。特に発生源付近の中国やモンゴルなどでは、黄砂は猛烈な砂嵐(すなあらし)となって発生し、死亡者や行方不明者もでています。

わが国では、西日本や日本海側で多く観測されますが、大規模な黄砂の飛来時には、東日本や北日本でも観測されます。平成14年3月は、それまで黄砂がほとんど観測されなかった札幌にも黄砂の飛来が観測され、大きく報道されました。

黄砂が飛来する仕組み

黄砂が飛来する仕組み

画像をクリックすると別ウィンドウで拡大画像を表示します

資料提供:環境省

 

黄砂を正確に判別できるライダー装置

ライダー装置(LIDAR:Light Detection And Ranging)は、レーザー光を用いたレーダーで、上空を通過する黄砂をリアルタイムで計測できる機器です。レーザー光を地上から送信し、上空の浮遊物質に当たってはね返ってくる光線を解析することによって、地上付近だけでなく、上空の黄砂飛来状況が定量的に把握でき、黄砂飛来予測にも役立つ重要な情報を得ることができます。

また、一般的に排ガスなどの粒子状の大気汚染物質は球形ですが、黄砂粒子は球形ではありません。この形状の違いをライダーは判別できるため、肉眼では区別できない黄砂と黄砂以外の大気汚染物質等の粒子状物質を判別して観測することが可能となります。

ライダー装置の観測の仕組み

ライダー装置の観測の仕組み

資料提供:環境省

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