【カイロ前田英司】内戦状態に陥ったシリア情勢を巡り、エジプトの提唱した「イスラム４カ国協議」が１７日夜、カイロ市内で初の外相会合を開いた。エジプト、サウジアラビア、トルコ、イランが地域主導で解決策を模索する試みだが、シリア反体制派を積極支援するサウジは欠席し、出はなをくじかれた。４カ国は１８日開幕の国連総会に合わせ、月内に再度、米ニューヨークで会談する。

　４カ国のうちエジプト、サウジ、トルコがシリアのアサド政権に退陣を迫るのに対し、イランは政権擁護の立場を取る。ＡＰ通信によると、エジプトはイランに対し、約３０年前に断絶した国交の回復や、湾岸諸国との関係改善の橋渡しを約束して翻意を促しているが、この日、４カ国としての統一見解には至らなかった。

　トルコのダウトオール外相は会見で「たった１度で成果が出るとは期待していない」と述べた。一方、イランのサレヒ外相は「４カ国の認識は相違より共通点が多い」と強調したが、「解決策はシリア人の手によるべきで、外部から押しつけてはならない」とクギを刺した。