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【浪速風】同じ「倍増」でも支持は得られない (9月5日)
2012.9.5 12:29
[【浪速風】]
国論を二分した日米安保条約改定を成し遂げて退陣した岸信介首相の後任に選ばれたのは池田勇人だった。大蔵官僚出身の池田は総選挙を2カ月後に控えた昭和35(1960)年9月5日、かねて温めてきた政策を発表する。「国民所得を10年後に倍にします。つまり一人ひとりの月給を2倍にするのです」
▼「所得倍増計画」はわかりやすく、国民にうけた。自民党は総選挙に勝利し、高度経済成長時代の幕が開く。公約は10年を待たず、わずか5年で達成された。日米安保によって防衛費の負担が軽減されことも背景にある。最近、岸の評価が高まっているが、池田もまた日本の進路を決めた名宰相だった。
▼「次の首相」になるだろう民主党代表選、自民党総裁選が近い。あれこれ候補が取り沙汰されるが、どちらも大阪維新の会の出方をうかがって、この国をどうするという骨太の議論は聞こえてこない。出てきたのは「原発ゼロ」になると光熱費が倍増するという試算だ。
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