防御率2.30ではダメか 球団条件あいまい
ポスティングシステム(入札制度)による米大リーグ移籍を希望する松坂大輔投手と西武による27日の最初の話し合いは主張が平行線のままだった。次回、移籍の条件になっていた、今季の成績内容について話し合うが、解釈を巡って紛糾する可能性もある。
防御率2・30(リーグ3位)、15完投(同1位)、226奪三振(同1位)がプロ7年間で最高だった。優勝を逃した球団内部には、成績を疑問視する声があるが「どこをどう見て、そう判断されるのか。僕としてはその言葉については納得出来ない」と反論する。日本一連覇は、条件に「なかった」と言う。
成績を条件とした以上、勝敗やタイトルの獲得など明確な基準を決めておくべきだった。松坂は「17勝、18勝すれば、防御率が4、5点台でもいいのか。(球団が示す)『万人が認める』というのは向こうにとってはいい言葉で、僕にとってはあいまい」と話した。球団側にも「個人的には、十分な成績だと思う」(黒岩彰球団代表)と成績に理解を示す声もある。
ポスティングシステムが選手の権利ではない以上、強硬な姿勢で移籍を求め続ける意思は今のところはない。話し合いの期限も年内いっぱいに区切っている。ただ、「強い気持ちを球団にもファンの方にも分かってもらいたい」と訴える。球団側も、将来のメジャー行きを容認しているのならば、具体的ノルマを提示するなどし、エースの不信感を払拭(ふっしょく)すべきだ。(畔川吉永)
松坂の成績
シーズン | 勝敗など | 防御率 | 完投 | 奪三振 |
1999年 | 16勝5敗 | 2.60 | 6 | 151 |
2000年 | 14勝7敗1S | 3.97 | 6 | 144 |
2001年 | 15勝15敗 | 3.60 | 12 | 214 |
2002年 | 6勝2敗 | 3.68 | 2 | 78 |
2003年 | 16勝7敗 | 2.83 | 8 | 215 |
2004年 | 10勝6敗 | 2.90 | 10 | 127 |
2005年 | 14勝13敗 | 2.30 | 15 | 226 |
(2005年10月29日 読売新聞)