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戦車、民間フェリーで移動…北海道から大分へ

 防衛省は来月10日から、大分県にある陸上自衛隊日出生台(ひじゅうだい)演習場(由布市など)で、島嶼(とうしょ)部や重要施設などの防衛を想定した過去最大規模の実弾射撃訓練と模擬訓練を行う。

 北海道に駐屯する陸自の機動部隊を初めて参加させ、戦車や装甲車を民間のフェリーやJRの貨物列車を使って長距離移動させる。昨年末に策定した新たな「防衛計画の大綱(防衛大綱)」で打ち出した沖縄などの南西方面重視の機動的な防衛を具体化するのが狙いだ。

 訓練に参加するのは、冷戦時代、対ソ連抑止の中軸を担ってきた北海道の第7師団。90式戦車4両と89式装甲戦闘車10両、73式装甲車10両など計約120両と部隊要員410人が、北海道千歳市から大分県の日出生台演習場まで移動して22日まで訓練する。訓練は九州の部隊と合同で行う。

 90式戦車は、対ソ戦を想定して開発された戦車で、北海道にしか実戦配備されていない。原野での作戦向けで、重量50トン、全長9・8メートルと巨大なのが特徴だ。89式装甲戦闘車と合わせ、11月8日から北海道の苫小牧港から大分県の大分港まで民間フェリーで運ぶ。

 フェリーは、津軽海峡フェリー(北海道函館市)が運航するチャーター船「ナッチャンワールド」(約1万715トン)。東日本大震災の際も、自衛隊部隊や緊急支援物資の輸送を行った。

2011年10月26日14時30分  読売新聞)

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