(CNN) 米ニューヨークのウォール街で17日、米国の金融界と政界に対する抗議行動が行われた。インターネットでの呼び掛けを通じて反政府デモが広がった中東の「アラブの春」にならい、米国でも市民主導の改革を促そうと企画された。
抗議行動はカウンターカルチャー誌「アドバスターズ」創業者のカル・ラスン氏が発起人となり、ツイッターなどのウェブサイトを通じて米国金融の中心地であるウォール街に集結するよう市民らに呼びかけた。
今年に入って北アフリカから中東に飛び火した反政府デモでは、参加者が街の中心部を占拠して経済の停滞や圧政に抗議。チュニジアやエジプトなどの各国で、国民のニーズに応えることよりも権力の温存に固執したとみなされた政権が次々に崩壊した。
ラスン氏は、米国でもインターネットを使ってこうしたデモを盛り上げたい考えだ。「金融界に対する怒りは強まっている」「ウォール街など世界中の金融街に人々が結集して、世界の金融制度の改善と公正化を促す必要がある」と指摘する。
アドバスターズは7月にウェブサイトを開設してウォール街でのデモ行進とニューヨーク証券取引所での座り込みに参加者を募った。8月にはハッカー集団の「アノニマス」がこれに賛同してデモへの参加を促す動画を公開し、以後、日本、イスラエル、カナダ、欧州にも抗議行動を組織する動きが広がっている。