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[国際]ニュース
【リビア政権崩壊】銃撃戦5時間、「カダフィ居住区」突入…はためく三色旗
【カイロ支局】リビアの反体制派兵士らがトリポリ市内にある独裁政権の象徴だったカダフィ大佐の居住区に突入したのは、5時間に及ぶ銃撃戦の末だった。激しい銃声が辺りに響き噴煙が上がるなか、「神は偉大なり」と叫ぶ兵士らの声が、とどろき渡った。米CNNテレビによると、ジャーナリストらが閉じ込められているリクソスホテル周辺では24日、激しい砲撃や戦闘が続いている。
「多くの友人が死んだ。でも彼らの死は、決して無駄ではなかった」
リビア北西部ミスラタからトリポリに駆けつけた民兵のシャフィヤさん(19)はAP通信に、嗚(お)咽(えつ)しながらこう語った。
コンクリートの壁を破壊し地区内に突入した兵士らは、カダフィ氏の“象徴”を次々に破壊した。金メッキが施された同氏の像を壊し、転げおちた頭部を蹴りつけた。ある兵士は肖像画を引き裂き、かつての最高指導者が演説の舞台としてきた旧邸宅の建物には、反体制派の象徴である三色旗が掲げられた。
突入した兵士らは、武器庫を襲撃して護衛のカダフィ派兵士を殺害し、大量の弾薬やライフル銃、高射砲などを奪ってトラックの荷台に載せた。カダフィ氏のものとみられるゴルフカートで乗り去る者もいた。
ただ、カダフィ氏の行方は依然として分からず、トリポリ市内は緊張状態が続いている。
英紙ガーディアンによると、リクソスホテル内にいるのは、米CNN、FOX、英BBC、スカイニューズ、中国中央の各テレビ局、AP、ロイター両通信社の35人の外国人ジャーナリストら。中国中央テレビは、女性記者のホテル内からの報道を伝えた。
CNNのマシュー・チャンス記者はテレビで、5日間にわたり“軟禁”状態に置かれていると話し、「水と食料が持つのはあと2日程度」と緊迫した状況を伝えた。ホテルを脱出しようと試みたフランス人の記者は銃口を突きつけられ阻まれたという。CNNは、リビア政府が海外の記者を事実上捕らえ、貴重な“道具”として利用しているとの見方を示唆し、ヘイグ英外相はロイターに「状況を注視している」と述べた。
トリポリ市内ではカダフィ派が住宅街にミサイルを撃ち込み、住民らがパニックに陥ったとも伝えられている。
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