4月の朝雲ニュース

4/8日付

ニュース トップ

阪神・淡路大震災など測量26年 「くにかぜU」退役

 退役する航空測量機「くにかぜU」の機首部分に花輪を飾る力丸徳教空群司令(右)と小牧国土地理院長(3月4日、徳島基地で)

国土地理院への支援を終了

 【徳教空群】202教育航空隊所属の航空測量機「くにかぜU」号(UC90多用機9102号)の退役式が建設省国土地理院の主催で3月4日、徳教空群第2格納庫内で行われた。海自は昭和35年度から国土地理院の航空測量業務を観測機運航や写真処理などで支援しており、「くにかぜU」は初代観測機「くにかぜ」(B65P型機)に続く2代目。
  退役式には国土地理院の小牧和雄院長と同院職員9人、徳教空群司令の力丸義史1海佐以下、同群勤務隊員約250人の計約260人が参加。小牧院長と力丸群司令が「くにかぜU」の功績を称え機首部分に花輪を飾り、202教空隊司令、同教育飛行隊長、同列線整備隊長とともに機体にお神酒をかけて同機の長年の労をねぎらい、参加者全員で同機を囲み記念撮影した。
  退役式前日には「くにかぜU」の最終フライトが教育飛行隊長の今村靖弘2海佐が機長を務め、力丸群司令も搭乗して行われた。着陸後、今村2佐は「数々の実績を残した同機の最終フライトの機長を務め、万感胸に迫るものがあり光栄。今後202教空が保有する航空機はTC90練習機のみになるが、本来任務の学生教育、操縦士育成に全力を尽くしたい」と話した。
  「くにかぜU」は昭和58年9月に建設省から海自に所管換えになり、いらい約26年間、写真撮影や磁気測定などで活躍。平成7年の阪神・淡路大震災など大規模災害時には地形変化や断層の状況確認のため緊急撮影を行い、総飛行時間は9000時間。「くにかぜ」「くにかぜU」が約50年間に撮影した航空写真の総面積は約86万4000平方キロメートル(日本国土面積の約2・3倍)、航空磁気測定の総延長距離は27万9800キロメートル(地球赤道円周の約7倍)。
  「くにかぜU」の退役で半世紀に渡った自衛隊による国土地理院への航空測量協力は終了した。