47NEWS >  共同ニュース  > 記事詳細
  •  ニュース詳細     
  • 大震災、92・5%が水死 6割超が60歳以上、警察庁


     福島第1原発から30キロ圏内で行方不明者を捜索する陸上自衛隊=18日午後、福島県南相馬市(陸自第12旅団提供)

     警察庁は19日、東日本大震災で被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県で検視を終えた遺体のうち、92・5%の死因が水死と明らかにした。年齢が確認された人のうち60歳以上が65・2%を占め、特に70代が多く、24・0%に上った。

     年齢が高いほど、逃げ遅れて津波に巻き込まれるなどした実態が数字でも裏付けられた。

     警察庁は地震発生後から今月11日までの1カ月間に、3県で検視を終えた1万3135人の遺体について分析。1万2143人が水死で、焼死は148人(1・1%)、圧死やけがによる損傷死などが578人(4・4%)だった。266人(2%)は死因がはっきり分からなかった。

     水死の割合は岩手87・3%、福島87%。宮城は特に高く、95・7%。

     警察庁は圧死や損傷死も津波に巻き込まれて、がれきで外傷を負うなどしたのが原因とみており、家屋倒壊による死者が8割以上とされる阪神大震災と大きく異なっている。

     年齢が判明したのは1万1108人。60~69歳が2124人(19・1%)、70~79歳が2663人、80歳以上は2454人(22・1%)で、9歳以下や10代、20代はいずれも4%以下だった。

     警察庁によると、各県が公表している沿岸部自治体の60歳以上の人口構成比は、岩手県陸前高田市が42・5%(昨年10月)、宮城県気仙沼市が38・6%(昨年3月)などで、亡くなった60歳以上の人の割合はこれらを大きく上回っている。

     検視を終えた遺体は男性5971人、女性7036人。

      【共同通信】