ホッとニュース 【10月3日02時43分更新】

小松空港発の新路線検討 カーゴルクス、北米や香港有力

カーゴルクス航空が運航する国際貨物便=小松空港
 【トロント=築田和夫】カーゴルクス航空(ルクセンブルク)は、小松空港発の定期貨 物便について、新たな路線開設の検討に入った。北米、香港便が有力。同社は新型機材導 入時期や景気動向などを見極めた上で、新規就航を判断するとみられる。カナダ・トロン トを訪問中の谷本正憲石川県知事が2日夜(現地時間同日午前)、明らかにした。

 カーゴルクス航空は来年から、新型機材(ボーイング747―8F)を既存路線を含め て順次導入する予定。新型機は従来機に比べ、最大積載量が16%増で、1トンあたりの 燃料コストは17%軽減されるという。

 カーゴ社は新機材の導入とともに、今年6月に日本とルクセンブルク政府間でカーゴ社 の運航条件が見直されたことを契機に、収益力の強化のため、新路線開設の本格的な協議 を始めた。

 運航条件の見直しでは、小松から北米、香港への貨物輸送が可能となり、寄港地として 、北米ではシカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルスが新たに加わった。北米便が就航すれば 、小松から北米を経て、欧州に向かう世界一周ルートが構築されることになる。

 谷本知事は「小松空港の貨物空港としての拠点性が飛躍的に高まる。一日も早い就航を 望んでおり、必要な支援や働き掛けをしたい」と期待感を示した。

 小松とルクセンブルクを結ぶ定期貨物便は1994年7月に運航を開始。現在、週3便 体制となっている。

 小松空港での国際貨物取扱量は、不況で前年割れが続いていたが、昨年末から持ち直し 、今年度は8月末までの輸出入の合計が約6365トン、前年同期比95%増と回復して いる。

 カーゴ社は円高など経済情勢の先行きに加え、小松での国際貨物集荷の可能性などを含 め慎重に検討を進める方針だ。


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