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NZ地震:ビル崩壊現場の捜索打ち切り 生存者なしと判断

CTVビルの倒壊現場前に供えられた花束と日本の国際緊急援助隊の隊員=ニュージーランド・クライストチャーチで2011年3月3日、共同
CTVビルの倒壊現場前に供えられた花束と日本の国際緊急援助隊の隊員=ニュージーランド・クライストチャーチで2011年3月3日、共同
遺体安置所となっている軍の施設を出る安否不明者の家族ら=ニュージーランド・クライストチャーチ近郊で2011年3月3日午前11時25分、小川昌宏撮影
遺体安置所となっている軍の施設を出る安否不明者の家族ら=ニュージーランド・クライストチャーチ近郊で2011年3月3日午前11時25分、小川昌宏撮影

 【クライストチャーチ佐藤賢二郎、樋岡徹也】ニュージーランド・クライストチャーチ付近で起きた地震で、同国政府は3日午後(日本時間3日午前)、新たな生存者がいる可能性はないとして救助活動を打ち切ったと発表した。今後は遺体の捜索と犠牲者の身元確認に重点を移す。崩壊した市中心部のCTVビルには、富山市立富山外国語専門学校の学生ら日本人28人がいたとみられるが、生存者の手がかりはみつかっていない。地元警察によると、3日までに確認された犠牲者は161人で、日本人を含む外国人犠牲者は最終的に約20カ国100人に達する見通し。

 会見した同国のマカリー外相は「被災家族の代表と会って、この決定を伝えた。20カ国からきた外国人の犠牲者がおり、遺族の方々には、深い同情とお悔やみを申し上げたい」と述べた。警察の担当者は決断の理由について「地震翌日の(2月)23日午後に最後の生存者を救出して以降、一人も生存者を救出できなかった。この決定は我々にとっても、とても厳しいものだった」と語った。決定は2日午後、同外相から電話で前原誠司外相に伝えられていた。

 安否不明の日本人28人は、CTVビルに入居していた語学学校「キングス・エデュケーション」の留学生。内訳は▽富山外国語専門学校の12人▽海外留学あっせん会社「ワールドアベニュー」(東京都千代田区)の留学生10人▽「M・I・海外留学」(京都市)が留学をあっせんした2人▽個人留学生4人。

 6階建てのCTVビルは、エレベーター部分を残して完全に崩壊し、今回の地震で最も多くの犠牲者を出した。発生2日後の2月24日には、日本の国際緊急援助隊が現地入りし、地元消防などと協力して救出活動を行ったが、相次ぐ余震の影響もあって捜索は難航、新たな生存者を救出できなかった。また、収容された遺体は損傷が激しく、地元警察はDNA鑑定などを進めている。3日午前現在、日本人の身元確認の発表はない。

毎日新聞 2011年3月3日 11時46分(最終更新 3月3日 13時05分)

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