ケータイ流行語がPCと異なるのは?

 今回の女子中高生ケータイ流行語大賞の実施に当たっては、まず候補となるワードをアンケートで募集し、そのうち上位30〜40のワードを選んだ。ただし、中には、特に芸能人の名前や台詞など、実際にネットで使われているとは限らないワードも多く含まれていた。そこで、ケータイブログやリアル(携帯サイトで人気の、自身の行動を逐一書き込むミニブログサービス)などの投稿と照らし合わせながら、20のワードを最終的な候補として選出したそうだ。

 こうして選ばれた候補を基に再びアンケートを実施。投票数が多いものから順に賞を決めていった。その結果、今年は「なう(なうい)」が金賞、「あげぽよ」が銀賞、「どうかしてるぜっ」が銅賞に選ばれることとなった。

 選ばれるワードの傾向がネット流行語大賞と大きく異なる要因には、そのワード流行の“経緯”があるようだ。ネット流行語は、ネット上で見た言葉がそのままネット上で広まる傾向が強い。だがケータイ流行語は、学校の友人や先輩などから聞き知った言葉、あるいはファッション誌の読者モデルや人気ブロガーなどが使っている言葉を取り入れ、それをブログやリアルなどに書き記すことによって広まったものが多いという。

 金賞の「なう」が、ある意味、その傾向を象徴している。このワードの出所はTwitterだが、実際のところ、女子中高生にTwitterはあまり普及していない。にもかかわらず、この言葉が使われているのには、より上の世代の先輩などが使っている「なう」という言葉を聞き、それを真似て使い出したことが大きいと考えられている。

 それゆえ、Twitterでよく使われる「わず」「だん」なども使われるようになってきているとのことだが、Twitterから、直接影響を受けている訳ではない。そのため、「なう」「なうい」となるなど独自の変化を遂げていく傾向も見られるという。一方で、彼女達に多く利用されているSNS、mixiが由来の「イイネ!」は、語彙が変化せず、そのままの形で使用されている。

女子中高生ケータイ流行語大賞2010の結果(金賞〜10位)

順位項目得票数ピーネスト・佐藤竜史氏による解説
金賞なう(なうい) 28.2%Twitterのつぶやきで語尾に用いられるネットスラング。「○○なう」 という表現で、自分が今やっていることや自分の所在地、状態などを表現する。
銀賞あげぽよ 21.8%テンションアゲアゲな状態を意味するギャル語。「ぽよ」は、なんとなくかわいいので語尾に付けるが特に意味はない。他にも「さげぽよ」「ひまぽよ」など存在する。
銅賞どうかしてるぜっ 5.5%お笑い芸人ブラックマヨネーズの吉田敬がアメトーークSPの「今年が大事芸人2010」でヒーハーに続くギャグを自分も持ちたいと言って、披露したのがきっかけ。主に、何かに対して愚痴があるときに使用。
4イイネ! 4.5%フェースブックやミクシィで使われる評価機能
5うけぴー 4.2%「うける」の語尾に「ぴー」が付いたもの。特に「ぴー」に意味はない。
6ありえんてぃ 4.0%「あり得ない」という言葉が、ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」の影響により変形した言葉だと思われる。
7どゆこと!? 3.6%「笑っていいとも!」の水曜レギュラーで流行らそうと始めた言葉。爆笑問題太田「そうかい?」→タモリ「どゆこと!?」という掛け合いがお決まり。
8うぇーい 3.0%「やあ」「どうも」など挨拶として使用される言葉。また「イエーイ」などの意味としても使用される。もともとはギャル男が使用。
9アラシック 2.9%「アラシック」とは、ジャニーズのアイドルグループ「嵐」のファンを指す。病気になってしまうほど、嵐が好きという意味。 嵐の6作目のアルバム名でもある。
10ポイポイポイポポイポイポピー 2.9%"「とんねるずのみなさんのおかげでした」内の「安すぎて伝わらない素人芸選手権」で優勝した素人女性宴会芸集団「あやまんJAPAN」が「LOVE&JOY」という曲に乗せハレンチに歌い踊る中で使用される掛け声。本来は、平仮名の表記であるが、アンケート投票ではカタカナ表記が多かったためカタカナの表記としています。"