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【山河有情】元検事総長・但木敬一 検事バッジは「秋霜烈日」か (1/3ページ)

2010.7.28 03:50

 伊藤栄樹(しげき)元検事総長はミスター検察と呼ばれ、昭和60年12月検事総長に就任した。その在任中病を得て、63年3月職を辞し、同年5月63歳の生涯を閉じた。「巨悪を眠らせず」「被害者とともに泣く検察」など検察の神髄に触れる数々の名言を残した。元総長は死を目前にして「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」と題する回想録を書き遺(のこ)している。題意は秋に降りる冷たい霜と夏の強烈な日差しのことで、刑罰の厳正や志操の堅固を表す言葉とされている。

 伊藤元総長は、その書の冒頭、題名の由来を説明する中で、検事バッジと「秋霜烈日」との関係にも言及し、その題名にこめた己の思いを吐露している。もともと検事バッジは検察官記章規程によって定められているが、「紅色の旭日の周囲に白色の菊花弁十二弁及び金色の菊葉四葉を配した七宝製」とあるのみで、秋の霜に結びつく文言はなく、秋霜烈日と関係づけるのは難しい。しかし実物を見ると、旭日と金色の葉は強烈な日差しを思わせ、白色の菊の花弁は霜の冷たさを感じさせる。そんなことから、元総長は、「霜と日差しを組み合わせた形に似ていることと、厳正さを求められる検事の理想像とが重なりあい、『秋霜烈日のバッジ』ともいわれるようになった」という解説を付し、題名にさらなる意味合いを持たせたのである。この解釈はかなり以前から流布されており、秋霜烈日は検事バッジの代名詞のようになってきた。

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