満島ひかりの弟・真之介が俳優デビュー…姉の活躍に刺激

姉ひかりとそっくり。子供好きで児童養護施設で手伝いもしているという満島真之介

　女優・満島ひかり（２４）の弟、満島真之介（２１）が、２１日開幕の舞台「おそるべき親たち」（１１月３日まで、東京芸術劇場小ホール）で俳優デビューする。２００９年５月に「自信を持ちたい。自分と向きあいたい」と、自転車での日本一周の一人旅を実行。その間に姉の活躍がどんどん耳に入ってきて、多くの人に影響を与えられる役者を志す気持ちが固まってきたという。

　真之介は長身のイケメンで、くっきりとした目鼻立ちが印象的。大きな声でハキハキと話す姿が初々しい。２１日に開幕の舞台で俳優デビューする。

　芝居の世界に興味を持った一番のきっかけは、姉・ひかりの存在だった。将来の進路を決めていなかった真之介は昨年５月、「自分に自信を持ちたい。しっかり自分自身と向き合いたい」と自転車で日本一周の旅に出た。１１月までの７か月間、北海道から鹿児島まで全国各地を回った。

　それまで役者の世界は「あまり興味のない世界だった」が、各地で目にする姉の映画のポスターや看板、雑誌。その活躍ぶりに触れ、刺激を受けたという。真之介は「（姉の演技が）多くの人を感動させていると実感できた。自分も頑張らなくちゃと、燃えるものがあった」と話す。

　旅の終盤にさしかかった時、大勢の人に影響を与えられる役者の道を目指す気持ちは固まっていた。「東京に戻ってからのことを考えたら、『表現者になりたい』という思いしかなかった。頭で考えたわけじゃなく、沸々と込み上げてきた」。０９年１２月から姉と同じ事務所に所属している。

　デビュー作では、佐藤オリエ（６７）や中島朋子（３９）ら実力派に囲まれての芝居。９月からけいこが始まったが、緊張の連続だ。「幼稚園に行こうとしたら、東京大学の門をくぐってしまったような感じ。ただ、姉からは『失うものはないんだから、すべてをぶつけてこい』と言われています」と前を向く。

　「自分の知らなかった世界で思い切りやっている人が身近にいる。僕も負けじと、太陽のように明るく熱い役者になりたい」と真之介。尊敬する姉に少しでも近づけるよう、がむしゃらに突き進んでいく。

　◆ひかり先生のおかげ　〇…真之介は両親と暮らす一人息子役で、恋人ができたことをでき愛する母に告げられずに悩む役どころだ。最初に読み合わせした際にうまくできなかったが、ひかりが助け舟。「姉に電話したら『すぐに家に来い』って」。夜の公園でマンツーマン指導がスタート。「先生みたいに僕の中にある感情を引き出してくれた。翌日、演出家に『何があったの？』と驚かれたくらい」と感謝しきりだった。

　◆満島　真之介（みつしま・しんのすけ）１９８９年５月３０日、沖縄県出身。２１歳。祖父が仏系米国人のクオーター。４人兄弟（姉、妹、弟）の長男。高校卒業後の０９年８月、日本一周自転車旅行の途中で立ち寄った稚内市で「稚内市ふるさと大使」に任命される。趣味は写真を撮ること、料理、自転車。身長１７７センチ。血液型Ｂ。