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「さくらんぼ小」校名変更へ 東根市、児童への影響を考慮

2010年09月09日 20:48
開校に向けて整備が進むさくらんぼ小。東根市は校名を変更する考えを示した=東根市若木
開校に向けて整備が進むさくらんぼ小。東根市は校名を変更する考えを示した=東根市若木
 東根市若木に2011年4月開校する新設小学校「さくらんぼ小」と同名のアダルトサイトがあり、校名の再考を求めるメールが市に相次いでいる問題を受け、市は9日、校名を変更する考えを明らかにした。8日までの「変更しない」という方針から一転、児童への影響を考慮し、考えを改めたという。新しい校名は昨年7月の公募で寄せられた候補を中心に市側で検討。市議会9月定例会最終日の28日に学校設置条例の改正案を提出し、明らかにする。

 9日に市役所で開いた記者会見で土田正剛市長が明らかにした。土田市長は冒頭「ネット社会に対する私の認識が足りず、反省している」と述べ、同日朝に事務方に校名変更を伝えたと説明した。再考した理由については、8日夜に在京の長男と話したり、ネット掲示版で批判されていることを知り、「学校に興味本位でネット仲間が詰め掛けるなど、児童の安全安心が確保されにくくなると懸念した。児童の立場に立って考えることが私の務めだと思い、校名変更を決断した」と語った。

 市側によると、新たな校名については応募者が多く最終選考に残った6つの候補のうち、さくらんぼ小を除く5つの候補を中心に選ぶ。完成している校章と校歌については9日、制作者に変更を依頼した。この問題に関するメールは8日に51件、9日も午後5時までに42件寄せられ、ほとんどが校名の変更を求める内容だったという。

 また、同名のアダルトサイトの存在を市が把握した時期は、これまで「2月に届いた匿名のメールで知った」としていたが、会見では「昨年12月28日に若手職員から情報提供があった」と訂正した。その後、市は商標など権利関係に問題がないか弁理士に相談はしたが、公募で選んだ校名でもあり、変更は考えなかったという。

 校名変更問題に絡み、市は9日開会した市議会定例会に提出する予定だった、さくらんぼ小内への学童保育所設置に伴う条例の一部改正案を上程前に取り下げた。

サイト側「名称変更も視野に」
 一方、アダルトサイトのさくらんぼ小のホームページに9日、この問題に関して「学校の意志が変わらない場合、児童の安全を配慮し、名称変更を視野に入れることも考慮している」という趣旨のサイト側のコメントが掲載された。
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