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  • 緊急冷却装置が稼働寸前に 福島第1原発で自動停止


     東京電力福島第1原発。(左から)4号機、3号機、2号機、1号機=08年10月、福島県大熊町

     東京電力福島第1原発2号機(沸騰水型軽水炉、福島県大熊町)が17日、運転中に自動停止、その際に原子炉の水位が通常より約2メートル低下、緊急炉心冷却装置(ECCS)が稼働する寸前だったことが分かった。放射性物質の漏れなどはなく、周辺に影響はないという。

     軽水炉は、燃料棒が高熱で損傷しないように水で冷却しており、冷却水喪失事故などの場合に一気に注水するECCSを備えている。

     東電によると、17日午後3時ごろ、2号機の原子炉に制御棒が挿入され自動停止、同時に原子炉に給水するポンプも停止し水位が低下した。あと40センチ低下するとECCSが稼働する設定だったという。自動的に非常用ディーゼル発電機が稼働、代替ポンプが起動して水位は回復した。

     東電によると、通常、原子炉が自動停止すると内部電源が停止するため、外部電源に切り替わるが、何らかの原因で切り替えがうまくいかなかった。

     原子炉の自動停止は、2号機のタービン建屋で発電機周辺の機器に不具合が発生したとみられ、回路の遮断器が作動して発電機が停止。発電機に連結するタービンも止まり、原子炉に制御棒が自動挿入した。約10分後に原子炉が未臨界状態となったという。

      【共同通信】