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イラン:ウラン濃縮を開始 制裁に抵抗、強気のカード

 【テヘラン鵜塚健】イランは9日、中部ナタンツの核施設で濃縮率20%のウラン生産作業を始めた。イラン国営通信が伝えた。イランが国際社会の意向を無視して濃縮開始に踏み切ったことで、イランの核問題は重大な局面を迎えた。

 サレヒ原子力庁長官は9日、20%濃縮ウランを「月間3~5キロ生産する」と説明した。イランは国際原子力機関(IAEA)に事前通告しており、作業もIAEAの監視下で行うとしている。

 イランはこれまで濃縮率3.5%のウランしか生産しておらず、20%に高めるのは初めて。米欧諸国は核兵器生産につながると警戒するが、イラン側はがん治療用アイソトープ生産のための核燃料に使うと主張し、120キロ分を製造する必要があるとしている。

 昨年10月から続く低濃縮ウランの国外搬出を巡る交渉は事実上打ち切られ、米欧側はイランへの追加制裁の議論を進めている。しかし、国連安保理常任理事国の中国は経済的結びつきの強いイランへの制裁に難色を示し、ハードルが残るのも事実だ。

 イランは交渉で自国の主張が受け入れられれば濃縮を停止する意向も示しており、濃縮開始という強気のカードで制裁への流れを食い止めたい考えだ。11日のイスラム革命記念日を控えて米欧との対決姿勢を鮮明にし、政権内や国民の結束を図る狙いもある。

毎日新聞 2010年2月9日 20時43分(最終更新 2月9日 22時28分)

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