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>>将棋は頭脳スポーツだ SPOPRE棋士列伝 |
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日本に古くから伝わる将棋。9×9の81マスの盤上にある40枚の駒を動かして競い合うこの競技には、その取り組み、プロセス、 そして精神にスポーツと共通する要素が少なからず内在している。そんな将棋の魅力と頭脳スポーツとしての姿を、棋界を代表する棋士の皆さんのインタビューを通して伝える「スポプレ棋士列伝」。第2回目は将棋界初のインターネット公式戦「第1回大和証券杯ネット将棋・最強戦」に優勝した郷田真隆九段に話を聞いた。
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−第1回大和証券杯ネット将棋・最強戦での優勝おめでとうございます。
郷田「ありがとうございます。久しぶりの優勝でしたから、かなりうれしかったですね」
−今回、将棋界として初めてのインターネット公式戦ということでしたが、普段の対局と一番違うところはどこでしたか?
郷田「普段は、残り時間を読み上げてくれる人がいるのですけど、インターネットではそういう人がいなくて、代わりに画面上に時間が出ていますが、いつの間にか時間が少なくなっていることがあって、その点が一番怖かったですね。時間切れで対局が終わった方がいなかったと聞いていたのでよかったです」
−郷田九段は今回初めてインターネット将棋で対局されたとお聞きしていますが?
郷田「そうです。だから将棋会館で事務局の方に何度か教わって今回の試合に臨みました。元々全くパソコンを使っていなかったのですが、初めてでもかなりやれますね。最近ではインターネットで対局ができるようになっているので、そこでの対局を重ねて勉強する若い棋士たちもいます。それから棋譜の管理ができるのも特徴ですね。ある局面でどんな手だったかを入力すると、過去誰と誰の対局で同じ手があったかを検索できるのです。私はまだ自分でまとめたモノを使っています。ただ、パソコンを使うことでゲーム的な要素ばかりが強くなっている印象があるので、その辺りは将棋が本来持っている文化面や精神面の要素とバランスを取ってほしいと思っています」
−今回の優勝の副賞でパソコンが頂けるそうですね?
「まだ手元に届いてはいないのですけど、これからやってみようと思っています。いよいよデビューですね」
(※8月16日取材時)
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−郷田九段のプロフィールを拝見すると趣味にスポーツ観戦とありますが、どんな競技をご覧になるのですか?
郷田「子供の頃からありとあらゆるスポーツを観てきました。一番好きなのはプロレスで、いま一番観る機会があるのは野球です。今日もテレビでニューヨーク・ヤンキースの試合を観ていました。もちろん日本のプロ野球も観ます」
−特に気になっているスポーツ、選手はいますか?
郷田「去年の夏の高校野球の決勝戦で、斉藤君と投げ合った田中君は凄かったですね。あの状況で高校生が震えずに自然に投げていて、久しぶりに凄い子が出てきたなあと思いました。それから今一番楽しみなのは、12月に行われる、ボクシングの5階級制覇のフロイド・メイウェザーと3階級制覇のリッキー・ハットンの対戦です。久しぶりの無敗同士の対決で今から楽しみにしています。やはり個人競技を観ていると自分の仕事と重ね合わせてしまいます。逆にチームスポーツの場合は助け合えて良いなあと思ってしまいます」
−最後に今後の目標をお聞かせください。
郷田「プロの世界で生きている以上、自分の将棋を注目してもらうことです。そのためには勝つことが一番だと思います。勝った対局を見てもらって(郷田は)結構やるなあというファンを増やしていきたいと思っています」
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