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和歌山電鉄:招き過ぎた猫駅長 「たま」目当ての車が殺到--貴志駅

たま駅長を見ようと貴志駅に押し寄せる車=和歌山県紀の川市貴志川町神戸で、宮嶋梓帆撮影
たま駅長を見ようと貴志駅に押し寄せる車=和歌山県紀の川市貴志川町神戸で、宮嶋梓帆撮影
和歌山電鉄貴志駅の猫の駅長「たま」
和歌山電鉄貴志駅の猫の駅長「たま」

 猫の駅長「たま」が勤務する和歌山電鉄貴志川線の貴志駅(和歌山県紀の川市)周辺で、車を使った観光客が増え、無断・違法駐車が問題化している。一時は廃線の危機にあった同線は、たまが客を招いて利用客が約1割増えたが、「車招き」という思わぬ余波も招いた格好だ。駐車場を整備すれば、電車ではなく車での来訪を促すことにもなりかねず、同社は対応に苦慮している。

 たまが駅で「勤務」する月~土曜のうち、土曜や祝日、長期休暇には観光客が殺到、駅前の空きスペースを車が埋める。大型観光バスが訪れたこともあった。近畿だけでなく、東京や九州地方のナンバーも。民家の前や狭い道をふさいで駐車する不心得者もいて、同社は今春から交通整理員2人を配置した。

 貴志駅は沿線住民が通勤や通学に使っており、駐車場はない。同社は5駅離れた伊太祈曽(いだきそ)駅前駐車場(1日200円)に車を止めて貴志駅まで電車で乗り継ぐパーク・アンド・ライドを勧めているが、利用は低調だ。市政策調整課は「放置できないが、鉄道会社が駐車場を整備するわけにもいかないだろう」と、駅から徒歩で約15分の市管理の河川敷に車を誘導する看板を今春立てた。

 貴志川線を研究する和歌山大経済学部(交通政策)の辻本勝久准教授は、「分散する和歌山の観光地を効率的につなぐ公共交通機関がない。車の移動が合理的だと観光客は考えるだろう。パーク・アンド・ライドなどのPRを徹底するしかない」と話す。和歌山電鉄は「たまには電車で会いに来てほしい」と訴えている。【宮嶋梓帆】

2009年8月29日

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