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「強い首相」に変身 インドのシン首相 (1/2ページ)

2009.5.22 23:42
シン首相の顔をボディーペイントし、「シン・イズ・キング」のサインを示す支持者=22日、アラハバード(ロイター)シン首相の顔をボディーペイントし、「シン・イズ・キング」のサインを示す支持者=22日、アラハバード(ロイター)

 権謀術数が渦巻く政界には、およそふさわしくない人物だ。

 マンモハン・シン首相(76)。もとは経済学者で、おとなしく控えめ。権力欲が彼を5年前に首相の座へと導いたわけでもない。実務肌であることも手伝って、「弱い指導者」と揶揄(やゆ)されもした。それが、1期目の政権運営の末に、下院選挙で国民の信任を勝ち得たことで、「強い首相」へと変身した。

 「シン首相、引き続き“キング”」

 16日の下院選挙で国民会議派率いる与党連合が圧勝し、翌日の地元紙はこんな見出しを掲げた。昨夏にヒットした映画「シン・イズ・キング」にひっかけたものだ。首相の続投は近年では異例でもある。

 その「キング」も、会議派の象徴であるガンジー家の“雇われ首相”にすぎなかった。本来なら会議派の総裁、ソニア・ガンジー氏が首相に就くはずなのだが、イタリア人であることなどから、シン氏に首相としての実務を委ねた。シン首相は1990年代に、財務相として、インドの社会主義経済からの脱却と経済自由化に貢献した。

 政権1期目は高い経済成長率を維持するなどの実績を挙げた。だが、左派共産党などを政権内に抱え、大胆な経済改革を思うように進められず「決断力に欠ける」という批判も浴びた。

 そうした評価は、昨年夏の出来事によって変わる。米印原子力協力協定に反対し、左派勢力が閣外協力を解消して、政権は窮地に陥った。しかし、シン首相は「経済成長を支えるエネルギーを確保するためには原子力協力協定の発効が必要だ」という信念を貫く。そして、左派勢力に固執することなく別の政党を取り込み協定発効にこぎつけた。「政治的に無力」とのイメージを打ち破りタフさを見せつけた瞬間だった。

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シン首相の顔をボディーペイントし、「シン・イズ・キング」のサインを示す支持者=22日、アラハバード(ロイター)
ガンジス川のほとりで、シン首相の顔にインドの地図をあしらった砂の像を造る彫刻家=22日、アラハバード(ロイター)
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