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金融サミット:来年成長、目標2%超 財政出動500兆円--G20共同声明

 【ロンドン藤好陽太郎、斉藤信宏】日米欧に新興国を加えた主要20カ国・地域(G20)による第2回金融サミット(緊急首脳会議)は2日午後(日本時間2日深夜)、G20として10年の世界成長目標を事実上2%超とすることなどを盛り込んだ共同声明を採択して閉幕した。声明は「国際通貨基金(IMF)の世界経済成長見通しに留意しつつ、金融・財政政策による景気刺激策を講じ、世界経済を回復軌道に乗せる」と表現。IMFは10年の成長見通しを2%超と予想しており、G20としてこの見通しを共有した形だ。年内に3回目の会合を開催することでも合意した。

 声明では「10年末までに5兆ドル(約500兆円)規模の財政刺激策を実施し、世界の成長を4%押し上げる」と明記した。

 各国首脳は「協調して保護貿易主義の台頭を阻止する」ことでも一致。世界が金融・経済危機に直面する中、恐慌に発展するのを防ぐため金融・財政政策を総動員するとともに自由貿易体制堅持方針も改めて確認した。

 昨年11月の第1回金融サミット後に一段と悪化した世界経済情勢を踏まえ、世界経済の回復に向けて自由貿易体制の堅持が重要との認識を再確認した。

 また、声明には資金不足に陥った新興国や途上国を支援するため、IMFの融資枠を現行の2500億ドル(約24兆7000億円)から7500億ドルと3倍に拡大することなど、IMFや世界銀行の資金基盤強化などを通じて新興国・途上国支援を中心に計1・1兆ドルを充てる方針を盛り込んだ。

 一方、規制強化を求める欧州や新興国と、消極的な米国との間で温度差のあった金融規制監督の見直しについては、独仏が求めているタックスヘイブン(租税回避地)に対する規制強化で一致。規制に対して、非協力的な地域のリスト公表を検討するなど欧州側に配慮する形で合意した。

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 ◆G20声明骨子◆

 ▽「10年に2%超」のIMF世界成長見通しに留意。金融・財政政策を総動員し世界経済を回復軌道に乗せる

 ▽10年末までの各国の財政出動による景気刺激策は、総額5兆ドル(500兆円)で、世界の成長を4%押し上げる

 ▽新たな貿易障壁の禁止を10年末まで延長、保護貿易主義の台頭を協調して阻止

 ▽IMF融資枠を3倍に拡大するなどIMF・世銀の機能を強化

 ▽タックスヘイブン(租税回避地)の規制強化など金融規制・監督の見直しで一致

毎日新聞 2009年4月3日 東京朝刊

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