’08センター試験

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みんな受験生だった:第5回 ごみ箱から受験票を救出?! 倉田真由美さん(マンガ家)

倉田真由美さん=2007年7月9日、田中雅之撮影
倉田真由美さん=2007年7月9日、田中雅之撮影

 試験会場のごみ箱に受験票を捨てちゃったんですよね。大学入試センター試験の1日目が終わった後に。黄色い紙に写真を張った受験票だったのを覚えています。いらないと思い込んだんですね。試験は通っていた高校で受けたと思います。親に頼んで、夜中に会場まで車を飛ばしてもらって、ごみ箱をあさりました。

 ちょうどセンター試験が始まった年でした。前後期で国立の2大学を受験できたので、前期に東工大、後期に一橋大を受けました。理系の勉強をしていましたが、文系でも良かった。とにかく福岡から東京に出たくて選んだ大学です。親からは国立で、地元の九州大より上の大学でなければだめだと言われていました。受験票が見つかって本当に良かったですよ。幸い、何事もなく試験を受けられましたが、もし見つからないままだったら、試験もボロボロだったかもしれません。親からは「ほんとうにドジだね」と言われました。

 そのころ、すでに漫画家になりたいと思っていて、少女漫画を描いていたんです。それまでも郵送で出版社に作品を送っていましたが、受験で上京するならと、作品を持って試験の前の日に出版社を回りました。作品を出して「明日受験なんです」と話したら、「それはまずいでしょう。とりあえず勉強しなさい」と言われて。でも、その時の作品で5000円もらったんですよ。ご褒美なのかどうか分かりませんけれど。

 高3の時は、それほど熱心に勉強しなかったんです。マンガを描きながら、勉強もしたという感じが近いかなあ。親に見つかるとおこられましたけれど。中3の時にスパルタの塾に通って猛烈に勉強したので、大学にはその余力で受かったみたいなものです。ラ・サールや灘みたいな難関高校を目指す男子に交じって、朝3時まで勉強していましたから。人生で一番成績が良かった。その時に勉強の「基礎体力」がついたと思う。コツをつかんだ感じですね。

 試験を受けてすぐに「ダメだ」と分かることってありますよね。東工大の試験では化学がほとんど解けなかった。もともと苦手だったんですが、克服するまで勉強できなかった。私はテレビ番組でも、「この話題でコメントを求めれられると困るな」と思うと、言葉に詰まるんですが、試験でもそういうことってありませんか?

 分からないんじゃないか、苦手だなと思うと、ますます思い出せない。パニックになって、100パーセントのパフォーマンスを出せないです。受験生の皆さんは、マイナスイメージを持たない、考えないようにするのがいいと思います。今が4月だったら、勉強して克服した方がいいでしょうけど、もう1月ですから。

◇くらた・まゆみ 1971年、福岡市生まれ。一橋大商学部卒。ダメ男を好きになる女性を描いて大ヒットしたギャグ漫画「だめんず・うぉ~か~」の作者。「くらたま」の愛称で知られ、男女の恋愛を中心に、漫画のほかエッセーなど幅広い分野で活躍する。

2008年1月18日

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