採決棄権の松浪政務官は「罷免」　後任に岡本氏

　麻生太郎首相は１４日、平成２０年度第２次補正予算案の衆院本会議採決を棄権した松浪健太内閣府政務官の罷免を決めた。後任に自民党の岡本芳郎前総務政務官を起用した。

　理由について首相は同日昼、首相官邸で記者団に対し「政務官の職責のまま退席した。政府の一員なので、政府の方針が決まった以上は従ってもらう。だから罷免になる」と強調した。松浪氏の造反は「想定していなかった」と述べた。河村建夫官房長官も午前の記者会見で「内閣の最重要課題である２次補正予算案で棄権し、内閣の一員として内閣の大方針に反する行動を取ったことは罷免に値する」と指摘した。

　一方、松浪氏は同日午前、自民党本部で細田博之幹事長と会い、「自公連立政権に仇（あだ）なすつもりはない」と釈明、細田氏は「追って処分する」と述べた。松浪氏はこの後、２次補正予算関連法案が衆院で再議決される場合の対応について「政治状況を見てとしか今の時点では申し上げられない」と述べるにとどめた。

　岡本　芳郎氏（おかもと・よしろう）東大卒。総務政務官。６５歳。比例四国、衆院当選２回（津島派）