＜オーディオメディア＞
　オーディオカセットテープは予測を３百万巻上回ったが、前年比１７％減の７９百万巻で２ケタの大幅な減少となった。録音用ＭＤや小型メモリーカードなど代替メディアの台頭で今後も１５〜２０％の減少が続く見込みである。 　録音用ミニディスクは前年比２％減の１５８百万枚で、予測を８百万枚上回る結果となった。ＨＤＤオーディオプレーヤの普及に牽引され、より多くの楽曲を利用しようとするニーズから録音用ＭＤのマルチパック商品の購入が増えていることが、需要推移は減少基調ながらも安定需要につながった要因と見ている。 　録音用ＣＤ−Ｒは予測を３百万枚上回り前年比１２％増の２８百万枚の実績であった。市場規模はまだまだ小さいが、オーディオのハイエンドユーザーに支えられ堅調な需要推移を見せている。

＜ビデオメディア＞
　フルカセットビデオテープは予測を１３百万巻上回り前年比８％減の１８３百万巻と健闘した。記録型ＤＶＤ同様にアテネオリンピックと「冬のソナタ」を代表する韓流ブームの特需効果で予測を上回った。ＤＶＤレコーダーが急速に普及している中で、ビデオテープによる録画習慣の根強さが窺える結果となった。 　ムービー用カセットテープ（Ｃカセ＋８ミリ＋ミニＤＶカセット）は予測通り前年比２％増の４６百万巻の実績となった。うちミニＤＶカセットは前年比１１％増の４２百万巻で予測を１百万巻上回った。ムービー用カセットテープ需要に占めるミニＤＶカセットの構成比は、平成１５年度の８４％から９１％に上昇した。今後の動向としてミニＤＶカセットは、昨年から大きな伸長が見られる８cmＤＶＤならびにＨＤＤ搭載カメラとの競合が注目を集めている。

＜磁気ディスク＞
　フロッピーディスクは前年比１６％減の８４百万枚の実績となった。ＣＤ−Ｒなど代替メディア台頭の影響から１９９５年をピークに大幅な減少が続いており、国内の需要規模が１億枚の大台を割った。

＜ディスクメディア＞
　データ用ＣＤ−Ｒは予測を３０百万枚下回る前年比１０％減の３６０百万枚と２ケタの大幅な減少となった。各種のストレージメディアの普及、多様化の中で、とくに記録型ＤＶＤドライブのパソコンへの標準搭載が一般化し、大容量データ利用で追記型ＤＶＤへの置き換えが進んでいるとの見方が強い。
　ＣＤ−ＲＷ（録音用、データ用含む）は前年比７％減の２５百万枚で予測を１百万枚下回った。バックアップ用途を中心にＣＤ−ＲＷから追記型ＤＶＤへの需要のシフトが加速したためと見られている。
　追記型ＤＶＤは録画用が予測を９百万枚下回ったが前年比１７７％増の１４４百万枚、データ用が予測を８百万枚上回り１１４％増の１３３百万枚の実績で、録画用、データ用ともに１億枚の大台に乗った。録画用はテレビ放送の録画以外でもビデオテープやＤＶＣなど撮り貯めたコンテンツからの置き換え需要、データ用はパソコンのＨＤＤの大容量化に伴う保存用メディアとしてのニーズの高まりが好調な需要増を支えている。
　書換型ＤＶＤは録画用が予測通り７８％増の４８百万枚、データ用が予測を７百万枚下回る２２％増の１１百万枚の実績となった。録画用は昨年４月にＢＳ／地上デジタルテレビ放送に導入された「１回だけ録画可能」の著作権保護技術も堅調な需要増の要因となったが、書換型ＤＶＤは追記型ＤＶＤと比べ速度対応が遅いことから予想以上に需要が追記型ＤＶＤに集中しているとの見方が多い。

＜光磁気ディスク＞
　３．５型ＭＯは前年比１６％減の１４，１５０千枚で予測をさらに下回った。パソコンへのドライブの標準搭載対応が進んでいないことから、２０００年をピークに２ケタの減少が続く。
　５．２５型ＭＯも予測をさらに下回り前年比３６％減の１１５千枚の実績となった。医療分野におけるＭＲＩデータのバックアップなど特殊分野では安定した需要がある。