関西電力は30日、高浜原発3、4号機(福井県高浜町)のプルサーマル計画を3年半ぶりに再開することを正式に表明した。森詳介社長がこの日、福井県庁で説明し、西川一誠知事も同意した。関電は2010年度までの発電開始を目指す。
関電は96年、国内で初めて計画実施を表明。99年に福井県と高浜町も事前了解した。しかし、その3カ月後にウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の調達先のデータ改ざん問題が発覚。04年に再開を決めた直後には、美浜原発3号機(同県美浜町)の高温蒸気噴出事故が起き、再び中断していた。
西川知事は昨年11月の県議会で、▽美浜3号機事故関係者への誠実な対応▽原発のトラブル減少▽高経年化(老朽化)対策▽耐震安全性の確保--の再開条件を提示。森社長はこの日、熟練技術者の確保と活用など具体的な対策を示したA4判約50ページの報告書を提出し、「全力を挙げて実施していく」と述べた。
西川知事は「(計画は)エネルギー政策として重要」とし、「安全確保が大事だ。逐次、詳細を県民に知らせてほしい」と要請した。
関電は今後、MOX燃料を製造する仏メロックス社の工場などで施設の品質保証態勢などを確認、3月末までに本契約を結び、調達を進める方針。
九州電力と四国電力も既に地元了解を得て計画を進めている。【平野光芳、大久保陽一】
毎日新聞 2008年1月30日 21時52分