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ビッグコミックオリジナル増刊
 2003年07月02日 ビッグコミックオリジナル増刊(2003年7月02日増刊)― 麻生太郎 コミックを語る

麻生太郎 コミックを語る  <NO.1>

ある深夜、

テレビを見ていて、驚いた。

お笑い芸人を相手に、自民党の政調会長が、

なんと、コミックを語っているではないか。

その知識、読書量、これが、はんぱじゃない。

コミック関係者として見すごせないと、速、

議員会館の麻生太郎事務所に連絡を入れた…

 

   浅草キッドのインタビュー番組、テレビで拝見して、あれが面白かったもので。

麻生 それでこの話(笑)。政調会長室っていうのがあリましてね、そこのスタッフが「政治家にお笑いタレントがインタビューする番組があって、たまにはこういうのにも出たらどうですか」って。田原総一郎さんじゃなくて、夜の番組で、向こうの指名ですからって。

   政治のお話なさっている時と、コミックのお話なさっている時と、お顔の表情か   らして、ぜんぜん違いますもの。

麻生 田原総一郎さんとかがやってる番組に出てると、だんだんだんだん目つきが悪くなるんですって(笑)。

   今、どれくらいお読みになってるんですか、コミック誌は?

麻生 え〜、「マガジン」「ジャンプ」「サンデー」「チャンピオン」。厚いやつが4つ。それから、「ビッグコミック」「オリジナル」「スペリオール」「スピリッツ」「モーニング」。あ〜、「ヤングジャンプ」「ビジネスジャンプ」。まだありますよ。

   ……膨大な量ですね。

麻生 膨大っていうか、週、まあ、10三20冊<らいは。

   それは定期的に、秘書の方がお買いになってるんですか?担当者がいらっしゃるとか?

麻生 うん。運転手さんが買って、月曜日になったら、「ジャンプ」と「スピリッツ」、黙って置いといてくれる。火曜目はなにもないけど、水曜日になったら「マガジン」「サンデー」、木曜になったら「モーニング」が出てきて、「チャンピオン」に「ヤンジャン」が出て。

   でも、お忙しい中、よくそれだけお読みになれますね?

麻生 自分の感じとしては、一種のストレス解消ね。コミックって、基本的に面白<ないっていうのはない。今は、アニメーションなんかで、かなりオタクで、わかんないものってありますけど。

   少年誌から、成年誌までカバーされてるってのは、漫画評論家でも、あんまりいないんじゃないですかね。

麻生 僕は43歳で結婚したせいもあリましてね。下の子供が中学、今度高校生。上が大学に入ったぱっかりなんですけども。共通の話題としては、コミックっていうのは、実にいいんです。母親はまったく参加しませんけどね。父親と息子の、父親と娘の話題としては、結構いいんです。

   ふと思ったんですが、選挙期間中は?

麻生 あ、選挙期間中は、車の中で。

   選挙期間中の先生の車には、コミック誌が積まれてる!

麻生 積んでありますよ。移動の時間が長いですからね。

   今、いちばん、次の号を楽しみになさっているのは?

麻生 「モーニング」の『ジパング』、「ビッグオリジナル」の『風の大地』かな。ああいうのは、まずはどうなったかなと。

   いちばん最初に、コミックをお読みなった記憶っていうのは?

麻生 僕は、昭和15年に生まれてますからね。『』のらくろ上等兵』とか、『冒険ダン吉』とか、ああいうのがありましたけど。

   昭和34年に週刊で「サンデー」「マガジン」が創刊される以前、月刊少年誌の時代がありまして……

麻生 そうです、そうです。「冒険王」というのもありましたね。昭和20年代だったですね。手塚治虫さんなんかが出て来たのが、「少年」の『,鉄腕アトム』で、それ以前の[ジャングル大帝]とかは単行本で読んだ記憶があります。

   留学された時も、引き続きコミックを読まれてたそうですが。どなたが手配なさっていたんですか?

麻生 アメリカに居た間は、ウチのおふくろについてた秘書の人が送ってくれてた。ずっと、頼んでありましたよ。『マガジン』と『サンデー』。船便で送ってもらって,楽しみにしてた。毎週火曜日くらいに着いてたかな。

   毎週ですか?

麻生 毎週,2冊ずつ。とても助かりましたね。

   それは、勉強のちょっと息抜きに……

麻生 そうですね。あの頃、今と違って、日本人が海外にいない頃ですよ。スタンフォードって学校に行ってたんですけども、この田舎の学校に1万人くらい学生がいて、日本人って、10人いないな。今だともう、何百人じゃないですかね。それくらいだから、コミックって貴重なものでしたよ。

   先生が、コミックに熱中なさったっていうのは、どのあたりからですか?

麻生 そうですね。本宮ひろ志さんの『男一匹ガキ大将』。あれが、最初にストーリーとして、おもしろいなと思ったコミックですね。当時、コミックっていうのは、いい歳した人、読まないもんだったですからね。

   その10年後くらいに、右手に「マガジン」、左手に「ジャーナル」って、大学生がコミック読んでても不思議がられない時代になりますが……

麻生 「朝日ジャーナル」、筑紫哲也さんでしょ?

   10年ほど、先生の方が早かったなって気がしますが……

麻生 筑紫哲也さんって、今、テレビに出ておられますけど、あの方が「朝日ジャーナル」の編集長でおられて、それで学生が、皆かぶれたわけでしょ。あの時代、結構、影響力があってね。あれとコミックでうまいこと、若い人がバランスを取ってたとすりゃあ、コミックって大したもんですよ。

コミックだけ読んでるって訳じゃないんだ。

  その頃、先生がコミックを熱心にお読みになってることに対して、周りの方の反応ってどういう風でした?

麻生 僕はよく本を読みますからね。僕は、コミックしか読まないとかね、難しい本しか読まないっていうのは駄目だと思いますから。難しい本を読みながら、コミックも読む。今の若い子にね、例えば司馬遷の『史記』だ、『十八史略』だ、『三国志』だって言っても、読みませんけど、横山光輝さんの描いた『三国志』なんてのは読む。それで興味をもって、吉川英治の『三国志』読んで、さらに原典読むようになればいいんでね。

   留学からお帰りになって、麻生産業にお入りになって、それから、社長をお勤めになりますよね。その間もずっとコミックをお読みになってた?

麻生 うん。継続してかないと、話がつながらないから。それと、ずっと読んでると、なんとなく時代がわかるんです。テレビの時も言いましたけども、60年代のコミックっていうのは、あれですよ、安保の頃ですからね。反体制漫画が主力だったと思いますね。『忍者武芸帳』だとか、『サスケ』だとか。それが70年の安保が終わったとたんに、『巨人の星』とか、『字宙戦艦ヤマト』とか、体制に体張っちゃうっていうような感じになって。80年代くらいから、こう、組織に属してでも、おれは俺っていう、例えばジョージ秋山さんの『浮浪雲』とか、「マガジン」の「パッ&テリー」とか。90年代に入って、わかんなくなったなって思ってたけど、だいぶ後半になって、ハッと気がついた。オカルトですよ。『ジョジョの奇妙な冒険』とか『犬夜叉』とか、なんとなく超能力だとか多いでしょ。で、出て<るのがオウム真理教。21世紀になって、これからどうなるのかなと思って見てますけど。主人公に強い奴が出てきましたね。「チャンピオン」の『バキ』とか。イラクとかイランとか、ああいったことがあって、もう一回、やっぱ、男は強くなきゃ駄目とかって話になるのかな。

   ヒーロー像っていうのは確かに、読者の願望にそった形で出てきますから。

麻生 英雄待望講ってのは、世の中あんまりいい時じやない。

   本当はね。そう思うんですけど。

麻生 政治に関しても、政治がうまくいってる時は、関心を持たないんでね。皆が関心を持つっていうのは、健康と同じなんですよ。誰も、健康な時は、健康のことになんて興味なんかない。政治に関心がないってのは、世の中うまくいってるってことだと思うんですけどね。その点からいくとまた、英雄待望論みたいなものが出てきて、危ねえな。この国は特に、英雄待望論が出てくると、危ねえんだ。

   コミックの世界だけで済めばいいんですが……

麻生 もうひとつ、ずっと読みつづけてておもしろいなと思うのは、127巻出てる『ゴルゴ13』とかね。102巻だったかな、『弐十手物語』とかさ、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』とか、130何巻でてるでしょ。ああいう、ずっと続いているコミックの主人公っていうには共通点というのがあってね。これ、絶対主人公の性格が変わらない。だから、土井たか子さんみたいな人達、人気あるんですよ。

   社民党の土井党主。変わらないですね。

麻生 変わらない。時代変わっても。良い悪い、別よ。とにか<変わらないじゃない。

   そうですね。イメージ変わらないですね。

麻生 イメージ変わんないでしょ。それがやっぱりデカイんでね。やっぱり急に変えたら駄目なもんなんじゃないですかね。時代が変わると、それにちょろちょろっと迎合するという流れがありますけども、ステーツなんてこというんだけど、基本的に座標軸があんまりぶれない。大事なことなんでね。月曜目に「ジャンプ」読んで、『こち亀』読んで笑えないと「ああ、俺、疲れてるかな」って、思いますもの。

   『こち亀』が気分のバロメーターになる?

麻生 なりますね。月曜日は特に、ね。また今週始まっちゃうって……

   えっ、プルーマンディー。先生でも憂鬱なもんですか、月曜日って?

麻生 ああ、いっしょですね。

   話は変わりますが、クレー射撃でオリンピックにお出になった先生からご覧になって、『ゴルゴ13』ってどうですか?

麻生 鉄砲の腕ですか。そうですね、まあ、百発も打てば1発くらいの確率はあるかもしれませんけども、あの距離で、2500、3000メーターくらいで。絶対不可能とは言いませんけども、なかなか……(笑)。

   ゴルゴ13は、不可能を可能にする男って言ってますから(笑)。

麻生 距離500メーター、普通なら300メーターだって、なかなか当たる距離じゃありませんけど、500メーターで横移動してるものとなると…・

   ゴルフもお得意だそうですが、現在、ハンディは?

麻生 9です。

   先ほど、『風の大地』がお気に入りだとうかがいましたが……

麻生 あれは、ゴルフをある程度分かってる人には、おもしろいコミックだと思いますね。ハンディが一桁になったとかって人達にとってみれば、あのコミックは、むちゃくちゃな話じゃありまぜん。もう無理な話がありますでしよ。         

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