岩田 安生 (いわた やすお)

  『日本の気象』舞台より

 舞台芸術学院13期を経て、1964年東京演劇アンサンブル入団。

 『おふくろ』のパウエル役でデビュー。以後アンサンブルの主要作品に出演している。
 『幻燈辻馬車』の秦剛三郎役は、自由党に潜り込んだ官憲のスパイ役。得意の方言で演じたが、岩田の軽さと嫌らしさが舞台のどんでん返しの展開をいっそう面白くした。『セチュアンの善人』でも警官役で、力に媚びる小役人役がはまっていた。
 一方『村で一番の栗の木』では、ふるさとに郷愁を抱きつつ、そのしがらみからは逃れたいという都市生活者を演じ、大変好評だった。
 声優としても活躍、数々の映画作品に出演している。また客演の舞台も多く、明るさ、軽さ、狡猾さなど、円熟した岩田の魅力が発揮されている。
 『セーヌ川の身元不明の女』ではイレーネの新しい恋人エルンスト役。保守的で安定を求め、女性を所有しようというタイプの男が、アルバートによってかき乱されていく。中村、住吉、久我ら若い俳優たちのなかで、味のある演技で舞台を引き締めてくれることだろう。

 

【主な舞台作品】

セチュアンの善人

ブレヒト

警官

ガリレイの生涯

ブレヒト

ベラルミーノ枢機卿

コミューンの日々

ブレヒト

ドリュクルーズ

おふくろ

ブレヒト

パウエル

わが魂は輝く水なり

清水邦夫

兼光

アルフレッドとヴィクトリア

ロナルド・フリード

アルフレッド

村で一番の栗の木

岸田国士

亮太郎

幻燈辻馬車

山田風太郎

秦剛三郎

ジョー・ヒル

スティヴス

アレクザンダー・マーシャル

セーヌ川の身元不明の女

ホルヴァート

エルンスト

常陸坊海尊

秋元松代

第一の海尊

日本の気象

久保栄

小日向

海の五十二万石 広渡常敏 人形師虎吉