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19年目のドリカムはファンの夢叶えます…単独インタビュー

 人気ユニット・DREAMS COME TRUEが、4年に1度のリクエスト曲ライブツアー「ドリカムワンダーランド」(DWL)を8月4日にスタートさせる。デビューから19年目。ファンの夢をかなえることを最優先して、第一線を走り続けてきたドリカムのまさに集大成だ。吉田美和(41)と中村正人(48)がスポーツ報知のインタビューに応じ、ツアーに懸けるひたむきな思いを語った。

 吉田はくりっとした目を伏せ黙考したり、手を叩いて笑ったり。隣で7歳年上の中村が優しい笑顔で見守っている。互いを補うように、絶妙な間合いで言葉をつなぐ。仲良し兄妹のような雰囲気でもあり、このあうんの呼吸が音楽活動に生かされてきた。1988年に結成し、89年にデビュー。作品総売り上げは5500万枚。タレント人気調査の1位常連で、音楽のみならず、好感度の象徴としてCM業界からもひっぱりだこだ。

 第一線を走り続けてきたバンドのベースは「ファンなくしてドリカムはない」という姿勢。DWLが生まれたきっかけも、過去の曲を聴きたいというファンの希望をかなえるため。具体的な夢実現をテーマにした今年は、その集大成となる。アリーナ会場初進出(91年)など、DWLは2人の夢を現実にしてきた軌跡だ。

 吉田「私たちにとってDWLはとても大切な機会で、チャレンジしたいことが4年に1回、確実にかなってきた。今年は自分たちの夢ではなく、来て下さる方の夢をかなえたいと思ったんです」

 中村「ドリカムというバンド名を付けた時点から、僕らにとって夢は見るものではなく目標。目標は実現させるものだから、今回はファンと一緒に頑張ってみよう、と」

 HPに届いた7万通の夢のうち、断トツ1位が「一緒に歌いたい」だった。まず全公演に帯同するコーラスを一般募集し、2人が決定した。

 中村「これだけではみんなで歌うことが達成されていない。年末の『第九』の合唱のように、会場全体をステージにしたかった」

 メドレー「何度でも LOVE LOVE LOVE」を合唱曲に決め、新曲「きみにしか聞こえない」に同曲のコーラス教則DVDを付録。ファンに予習してもらい、大合唱を目指す。野外開催だった前回からは一転、今年は4大ドームのほか、初めて国立競技場に立つ。

 吉田「私はいつも一人一人に向けて歌っていますから、6万人も10人の前で歌うのも変わらない」

 中村「東京五輪が開かれた歴史的な場所で、限られたアーティストしかできない。6年前からアプローチしました。過去4回と違うのは、参加型だということ。国立6万人、ドーム5万人の大合唱は想像もつかない。ギネスブックに申請したいな」

 リリース全作品がリクエスト対象で、スタート時の37曲から今年216曲に増えた。上位5曲には、『うれしい!たのしい!大好き!』など常連曲のほか、一昨年の「何度でも」とカップリング曲「空を読む」がランクイン。DWL第1回の披露曲は、第4回になると3曲だけと、常に新たな名曲を生み出している。

 中村「僕らは『うれしい―』超えを合言葉にやってきた。例えば『空を読む』は、内面を歌った作品で通じにくいと思っていた。伝えたいことがきちんと伝わったという驚きとうれしさがあります」

 「2、3歳から歌っていくと決めていた」と話す吉田。屈指のボーカリストと出会い、中村は「生きる道をみつけた」と言い切る。

 中村「ドリカムは吉田の歌を届けるために結成したバンド。演出やセットではなく、吉田の歌をどう伝えるかが最も重要なんです。日本一幸せな作曲家? 先輩ミュージシャンから言われます。『お前はラッキーだ』と(笑い)」

 すべて順風満帆だったわけではない。98年全米デビューしたものの、セールスは伸び悩んだ。

 吉田「ダイヤモンドかチタンのように硬い壁を感じました。NYだけ見ても、人種のるつぼ。日本人のコミュニティーがなければだめなんじゃないかと思うくらい、先の見えない奥行きがありました」

 一方、中村が最も感じた壁は「西川です」。2002年、音楽性の違いを理由に脱退し、同年覚せい剤取締法違反(使用)で逮捕されたキーボード担当の西川隆宏氏。多くの後輩アーティストがまねた男2女1のドリカム編成が崩れたことは大きな試練だった。

 この18年の間にCD不況、配信の台頭で音楽業界そのものが様変わりした。いじめ問題や事件の低年齢化など、ドリカムユーザーである10代にも変化が起きている。どんな時も2人は、音楽の力を信じてきた。

 吉田「これからもずっと変わらないのは、ラブソングを歌い続けること。例えば地球をすぐにはイメージできない。でも、一人対一人の身近な関係から、その隣の人へと広がっていく。ラブソングにはそんな可能性があると思っています」

 公言している目標は、1作品の売り上げ500万枚と米音楽誌「ビルボード」の1位。中村は「(『SUKIYAKI』で1位の)坂本九さんが究極の目標。これこそ音楽の力ですよね」とも語る。

 「吉田が生きている限り続ける」。中村が迷わず言い切るDWL。4年に1度の“お祭り”開幕まで約1か月。初日に“もうひとつの夢”がサプライズで用意されているという。

 ◆DREAMS COME TRUE 1989年にシングル「あなたに会いたくて」、アルバム「DREAMS COME TRUE」でデビュー。97年「バージンレコーズアメリカ」と契約し、98年、英語詞アルバム「SING OR DIE」で米進出。売り上げ322万枚の「The Swinging Star」を筆頭に、ミリオンはアルバムが10作、シングルは「LOVELOVELOVE」など4作ある。

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(2007年7月7日06時01分  スポーツ報知)

 〔芸能コラム〕

 高尾友行 タカの目

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