テクモの人気ゲーム「DOA」は、女性キャラの「乳揺れ」でも人気を呼んだ |
東証一部のゲームメーカー「テクモ」と、同社で世界的に人気の対戦格闘ゲーム「デッド オア アライブ」(以下DOA)シリーズの開発責任者をしている執行役員の板垣伴信氏(39)が、女性の元社員(31)から「セクハラされた」と東京地裁に1000万円の損害賠償請求訴訟を起こされていたことが7日分かった。板垣氏はゲーム雑誌などに頻繁に登場する業界の有名人。同社は今年8月、板垣氏を常務執行役員からヒラの執行役員に降格したが、理由を公表せず「謎の降格」と話題になっていた。
「板垣のセクハラで私は会社に行けなくなったりもしましたが、会社は話を聞いても十分な対応をしなかった。もう和解をするつもりは全くありません」
タレントの矢部美穂似で、業界内では美人広報担当として知られていた元社員はこう語る。
彼女は9月8日に同社を退職すると、10日に板垣氏と同社を提訴。10月4日に第1回の口頭弁論が開かれた。
板垣氏が開発責任者を務める「DOA」シリーズは今年で10年目を迎えた同社のドル箱といえるソフトで、美人忍者らを操って闘う対戦ゲーム。CGが美しく、格闘中の美女の胸がリアルに揺れる「乳揺れ」でも人気に。ハリウッドで映画化され、来年2月に公開される。板垣氏の存在感が大きいだけに、その去就は同社の業績全般に影響しかねない問題だ。
訴状や本人の話によれば、元社員が最初にセクハラ行為の“被害”にあったのは、平成15年9月9日だったという。
板垣氏が超大手IT企業の幹部と雑誌の対談で会食した後、二次会のカラオケも同席した元社員は、自宅が同方向だったため深夜に板垣氏と一緒のタクシーに乗った。
板垣氏は車内で、「おまえ結婚したんだよな」と話しかけ、「俺はお前が好きなんだよ」といいながら抱きつくと、右手で元社員のあごを押さえて強引に唇を奪い、「口の中に舌まで入れてきたんです」という。板垣氏は子供もいる妻帯者だ。
胸や腰なども触られた元社員だが、実力者の板垣氏を怒らせたらどうしようと困惑し、恐怖で身体もすくんだが、なんとか「だめです。やめて下さい」と抵抗し、身体を引き離したという。
タクシーを降りた後も、板垣氏は元社員の手首を掴むと「行こう」と言って強引にホテル街へと向かおうとしたが、元社員が半泣きで抵抗したため諦めたという。
板垣氏はその後も、応接室の鍵を閉めて元社員に抱きつくといった行為を繰り返した。昨年5月には、米国でゲーム業界のコンベンションに参加した際には、仕事にかこつけてホテルの元社員の部屋を訪れると、後ろから抱きついて強引に関係を迫ったという。
今年に入ると、彼女は精神的にも不安定となり、会社を休みがちに。直属の上司に打ち明けたが、「自分でなんとかしろ」といわれたという。そして7月、同社の新任人事部長がセクハラ相談を始めたので相談した。
社内調査に板垣氏は、キスなどしたことは認めながら「同意の上の恋愛だった」と主張。会社側は「不適切な行為があった」と板垣氏を降格処分にしたが、仕事は全く同じままで、社内外に理由も説明しなかった。
会社を休んでいた元社員には「セクハラとは認定できない」として、あと2週間以上休んだら「解雇する」と通告。会社の対応に納得できなかった元社員は退職した。
同社経営管理部の担当者は夕刊フジの取材に、「そのことについては見解の違いがあり、今後の裁判で明確にしてゆくつもりです」と、コメントした。
ZAKZAK 2006/11/07