webザテレビジョン：ドラマアカデミー賞

「光とともに…自閉症児を抱えて」
日本テレビ系

日本テレビ系作品が10年ぶり受賞の快挙！


	'94年、記念すべき同賞第1回受賞作に輝いたのが、日本テレビ系の「家なき子」です。以後、第37回の「僕の魔法使い」などおしい作品はありましたが、10年間にわたって日テレのドラマから最優秀作品は出ず…。櫨山裕子Pに当時の記事(何と写真は白黒)を見せると、「(家なき子担当P)佐藤敦さん、若いなー」と大笑いしてました。10年ぶりの受賞、本当におめでとうございます!!

原案＝戸部けいこ／脚本＝水橋文美江／演出＝佐藤東弥、佐久間紀佳／主題歌＝「万華鏡キラキラ」RYTHEM／出演＝篠原涼子、小林聡美、山口達也、齋藤隆成、武田真治、鈴木杏樹、井川遥、市川実日子、金沢碧、淡路恵子、森口瑤子、金子統昭、片桐はいり、大倉孝二、飯田基祐、甲本雅裕、大城紀代、小林愛里香、高橋惠子、渡辺いっけいほか

息子・光（齋藤）の自閉症に絶望した幸子（篠原）が、障害児学級の教師・里緒（小林）と出会い、懸命に光と向き合い成長する姿を追った感動作。自閉症を正面から描き、周囲の困惑と広がる理解を温かく伝え、視聴者の自閉症に対する認識も深めた。初めて「ママ」と呼ぶ場面など、光の成長を示すエピソードや、幸子と里緒の絆の描き方も秀逸で、喜びの涙を存分に流させた。

妻夫木聡
「オレンジデイズ」TBS系

マッチレースを制し妻夫木が２度目の勝利！

大学４年生の櫂役。優しくまっすぐな男をやらせたらいまやピカイチの妻夫木が、持ち味を十分に発揮し同部門２度目の栄冠に。沙絵（柴咲コウ）に振り回されふてくされる青さや、怒り、一生懸命さ、屈託のなさなど、シーンごとの感情を的確に表情で伝え、櫂の“若さ”をみずみずしく表現した。


	受賞コメントで「番組の打ち上げのときすごく泣いてしまった」と告白してくれた妻夫木くん。実は、クランクアップ（撮影終了）のときにもみんな泣きだしてしまったそうで、生野慈朗監督も「打ち上げで泣くことはあっても、クランクアップで泣き出すのは珍しい」なんて振り返っていました。ただ、それは妻夫木くんも認めるように、「キャスト、スタッフみんな仲がよかった」という証拠。インタビューの数日前も、成宮寛貴くんから電話がかかってきて互いに近況を報告しあってんだって。

篠原涼子
「光とともに…自閉症児を抱えて」日本テレビ系

安定して支持を集め篠原が初の主演女優賞！

自閉症の息子をもち、奮闘する幸子役。子育てへの不安やイラ立ち、成長を感じたときの深い喜びなど、ナチュラルにメッセージを伝える芝居で、視聴者を作品世界に引き込み、大いなる感動を共有させた。篠原のもつ明るさが暗くなりがちな作品を優しい雰囲気に変え、存分に役を生きていた。


	「アットホーム・ダッド」(フジ系)にも出演し、今クール大忙し。けれど意外なことに、「疲れたとかつらいと思ったことはなかった」そうです。理由は「充実した仕事にめぐりあえたから」。受賞したことを知ってすぐ、お父さんに報告したほど喜んでくれた篠原さん、おめでとうございます！

齋藤隆成
「光とともに…自閉症児を抱えて」日本テレビ系

大混戦の激戦を制し齋藤が同部門最年少V！

「砂の器」（'04年TBS系）の和賀（中居正広）の幼少時代を演じ強烈な印象を残した７歳の齋藤が、自閉症児の光という難役で同部門最年少受賞に。ドラマの成否を握る重要な役ながら、無表情なのに、にじみ出るような表現力で視聴者にも感情をみごとに伝え、とても愛しい存在に役を昇華した。


	取材は隆成くんの学校が終わった後、日本テレビの局内で行ないました。野球大好きの隆成くんは、広報担当の方からたくさんの“巨人軍グッズ”をもらって大喜び。とくに「誰でも変化球が投げられるボール」を気に入り、フロア中を走り回って投げまくってました。ところが、インタビューが始まるとおとなしくなって、はにかみながらもきちんとした受け答え。写真のポーズ（7/21発売号）も堂々としたものだったでしょ？　7歳のプロ根性を見ました。そして、担当記者からは副賞として最近リバイバル人気の「たまごっち」を贈呈。隆成くん、以前に流行ったときには生まれてなかったみたい…　ビックリでした。

小林聡美
「光とともに…自閉症児を抱えて」日本テレビ系

超強敵・柴咲を振り切り小林が初受賞をキメる！

あさがお教室で自閉症児の光（齋藤隆成）を指導する里緒先生を。光たちを見つめる視点の温かさや、作品全体を包むほどの包容力を飄々とした中で伝え、「この先生なら大丈夫」という安心感を見る者にも抱かせた。気持ちのこもったせりふ回し、頼もしい主演級の存在感で自身の魅力を全開させた。


	通常、収録が終わると、テレビ局は役者さんのスケジュールをおさえていません。ドラマ終了後に取材をしなければならないドラマアカデミー賞では、直接関係ない現場にゲリラ的に突入させていただくことも…。今回は敷島製パン株式会社さんの人気商品「超熟」シリーズのCM撮影中にお邪魔させてもらって撮ったんですよ。小林さん出演の同CMを見たら、今回の記事を思い出してみてくださ～い。

近野成美
「仔犬のワルツ」日本テレビ系

インパクトを残した近野が抜け出し受賞！

葉音（安倍なつみ）らとともにピアノの才能を競って相続レースを繰り広げた、四男・唱吾（塚地武雅）のパートナー・歌乃役。明るく開けっぴろげな歌乃を荒削りながら天真爛漫な魅力で表現し、内面の優しさも伝えた。


	第8話の放送で、演じていた歌乃の出番が終わり、ひと足早くクランクアップしていた近ちゃん。以降の台本ももらえなくなるため、続きが気になって最終回まで欠かさず見つづけていたそう。すると、衝撃の真実が！　歌乃のパートナー・唱吾(塚地武雅)は歌乃を裏切ってしまったんです。「ショックでしたよ…(笑)」ともらしていました。ちなみに、塚地さんからは「ごめんね～」とわざわざ連絡があったとか…。

天海祐希
「離婚弁護士」フジ系

大人のスーツスタイルで天海が初の受賞に！

大人の女の上質なキャリア・ファッションをさらりと着こなすあたりはサスガ。組み合わせのバリエーションもお手本に。背の高さを強調し武器にするような、高いヒールのパンプスも役の性格を表わしてカッコよかった。


	ここ最近は、長谷川京子さん、松雪泰子さん、米倉涼子さんなどモデル出身の受賞が続いたベストドレッサー賞。今クールは天海祐希さんが、大人の女性らしい着こなしを見せ見事初受賞！　CM撮影の合間をぬって、取材に応じてくれた天海さんは、なんと純白のドレス姿で登場。まるで、本物のアカデミー賞の授賞式のような格好に「なんか私、気合入れてるみたいじゃない！　違うのよ、これはCMの衣装なのよ！」と弁明していました。とはいえ、トロフィーを手に「すっごく嬉しいわ～」と感激していただいているようす。実は学生時代からザテレビジョンのファンだったという天海さんは「でも、トロフィーも嬉しいけど、昔からすごくレモンを持ちたかったのよ。今度はレモンを待ってるわ！」と記者にプレッシャーを。かためのスーツばかりの衣装でしたが、ベストドレッサーを獲得した天海さん。大人の色気が今クールは勝ったということですね。