芸能界覚せい剤汚染!“バナナ”初公判
陽水、今井美樹のバック務める実力派ミュージシャン

 薬物事件が後を絶たない芸能界の実態をうかがわせる事件が、また明らかになった。覚せい剤と大麻取締法違反の罪に問われ、7日、東京地裁で開かれたミュージシャンの川島裕二被告(42)の初公判。川島被告は、超大物アーティストのバックバンドなどを務める知る人ぞ知る実力派ミュージシャンだった。

 川島被告は、“バナナ”の通称で知られるキーボードとシンセサイザーの名手で、編曲の才能が高く評価されていた。井上陽水のアルバム「バレリーナ」など一連の編曲を担当したほか、布袋寅泰、安全地帯、渡辺真知子、斉藤由貴、今井美樹らのバックバンドで音楽活動を共にしていた。ほかに、土屋昌巳、小比類巻かほる、GLAYら幅広いアーティストの曲を手掛けている。

 冒頭陳述によると、川島被告が逮捕されたのは昨年の12月6日。都内で物損事故を起した際、運転していた車の下で発見されたウエストポーチの中から覚せい剤と大麻が発見された。また、逮捕された警視庁成城署内で、用便を求めた際にも、下着の中から覚せい剤が見つかった。

 しかし、川島被告は初公判で「成城署で用便を求めたのに許されず、失禁するまで不当な取り調べを受けた。逮捕と身体検査手続きが違法だった」などと主張して罪状認否を留保している。

 また、2月7日に同地裁で開かれた別の覚せい剤事件の裁判では女性被告(25)が、川島被告から覚せい剤を譲り受けたことを証言している。同被告は、取り調べに対しても、「バナナさんは、布袋寅泰や今井美樹のバックバンドでキーボードをしている人」などと供述していた。

ZAKZAK 2002/03/08