第6回 平尾昌晃
原点はリーゼント
「いやあ、懐かしいね。1958年ごろに撮ったプロマイドだね。髪もリーゼントだけど、後に歌謡曲を歌うようになって普通のヘアスタイルに変えさせられたことを覚えているよ」。
「わたしの城下町」「霧の摩周湖」「よこはまたそがれ」「夜空」(日本レコード大賞曲)など数々のヒットで知られる作曲家平尾昌晃さん(63)は、モノクロのプロマイドを手に40年以上前にタイムスリップした。プロマイドは58年1月1日に「平尾昌章」の芸名でデビューした直後のもの。甘い声とマスク、都会的センスでロカビリーのアイドル歌手に駆け上がった。
テレビも広くは普及していない当時、人気の後押しをしたのが、ファンとスターを結ぶプロマイドだった。「あなただけを見つめていたい」といわんばかりのカメラ目線。この目線がファンをとりこにした。
爆発的なロカビリーブームから20年後の78年に作曲家に転身。現在の名に変えた平尾さんは、畑中葉子(42)とデュオで「カナダからの手紙」を大ヒットさせた。畑中は、平尾さんが主宰する歌謡教室の門下生で、同じ時期には女優川島なお美(40)が名古屋校でスター目指しレッスンに励んでいた。「2人とも際立って歌がうまく、ルックスも良くて売れると思った。今も時々、元気に電話をくれるからうれしいね」。
今年、音楽学院の功績などでモンブラン国際文化賞を受賞した平尾さんは、現在、多岐に活躍。そのダンディーな身のこなしの原点に、一世を風びしたロカビリー時代の自負をも感じてならない。【小林秀夫】
◆1976年プレーバック 宮内庁が皇太子さまと正田美智子さまのご婚約を発表。東京タワー完工式。プロ野球では巨人長嶋茂雄が新人王、西鉄が3連敗後の4連勝で日本一に。石原裕次郎が映画で使った「いかす」が流行語に。ヒット曲は平尾の「ダイアナ」「星はなんでも知っている」、若原一郎の「おーい中村君」。ドラマは「月光仮面」、洋画は「死刑台のエレベーター」が大ヒット。
1956〜60年売り上げベスト10 |
【総合】
(1)石原裕次郎
(2)津川雅彦
(3)市川雷蔵
(4)有馬稲子
(5)江利チエミ
(6)雪村いづみ
(7)宝田 明
(8)小林 旭
(9)赤木圭一郎
(10)吉永小百合
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