4月03日(土) >> |
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2000年10月6日以来、実に1274日ぶりの1軍マウンド。しかも、開幕投手は10年ぶり。だが、そんな高揚感が、逆に川崎憲次郎投手(33)の体を重くしたのか。 「1軍のマウンドはすごく気持ちよかった。ただ、入れ込み過ぎてしまった」 初回、いきなり先頭の木村拓を四球で歩かせるも、続く嶋を併殺打に斬(き)ってとる。思わず握りしめる右拳。奇跡の復活劇を予感し、沸き上がるナゴヤドーム。しかし…。 急転は2回。先頭の4番・シーツから1番・木村拓まで、7人連続で出塁を許し5失点。落合監督自らマウンドに。降板が命じられた。 「試合を壊してしまってすみません。皆に申し訳ない」 一部コーチも知らなかった、まさかの開幕投手。公にされたのは、試合開始40分前。だが、さらにさかのぼること3カ月前の1月3日、川崎自身には落合監督から電話があった。 「開幕、おまえに任せるからな」 キャンプ前から告げられていた「4・2」。右肩痛の地獄からはい上がってきた男に、指揮官は竜投の先陣を託し、託された側も必死で開幕マウンドに立てるよう仕上げてきた。 「せっかくチャンスをもらったのに情けない」 1イニング1/3、37球。今はここまで。だが、次こそは−。指揮官の期待には一つ一つ応えていけばいい。 (寺西雅広)
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