「守り」から「攻め」へ J唯一の3トップ

'01/1/26

 ■ヴァレリー流骨格現す

 「チームスタイルを百八十度変える」と宣言したヴァレリー監督 を迎えたサンフレッチェ広島が、急速に変化し始めている。始動し て二十五日で十日目。FWに3トップ制を導入、練習は自主性と合 理性を併せ持たせながらプロの自覚を促すなど、ヴァレリー流のチ ーム作りが骨格を現してきた。

 「守」から「攻」に一変してきた。従来の「3―5―2」システ ムから攻撃的な「4―3―3」に移行。FWは久保を柱に、Jリー グで唯一の3トップに取り組んでいる。ロングパスのサイドチェン ジを多用し、ダイナミックな展開と早いパス回しを実践中だ。

 ボールを止めない素早い判断のパスを求める以外、プレー中の制 約はほとんどない。ヴァレリー監督は選手に「自由」を与え、力量 の見極めに徹している。規律を重んじ、プレーに拘束力のあったト ムソン監督時に比べ、若手が生き生きしてきたのも特徴で、新体制 らしい挑戦の気概が芽吹いた。

 自主性を容認する一方で、意識改革を追求している。給水の休憩 は三十秒に決められた。午前と午後の練習前には全員ミーティング を開き、練習の意図や目的を説明。予習、実習の後、コーチ陣から 復習させるスタイルを進める。けが防止のため、練習中のレガース 着用も義務づけた。

 ヴァレリー監督は「今のところは満足する出来だ。今後は戦術の 練習量も増えていく。教えたことに従えるか、選手の目やリアクシ ョンも見て、これからが大事な時期になる」と話し、適応力を見定 めた後でレギュラーの人選に入る方針を示している。(木村雅)


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