夫婦役 息もぴったり
深田 恭子(ふかだ きょうこ)さん
長瀬 智也(ながせ ともや)さん
今年の24時間テレビのテーマは、「あなたを一番愛する人…」。2人にとって、「あなたを一番愛する人」とは誰か、聞いてみた。
「自分を愛してくれる人っていうのは多分、自分が愛している人じゃないですか。誰でもそうだろうけど、自分が愛さなければ愛されない。自分が心を開かなければ、相手も開いてくれないのと同じ」と長瀬。
これを「いいこと言うねえ」と受けた深田は、「本当にこの人は自分のことを愛してくれているなって思うのは、やっぱり両親かな。無償の愛として、見返りなく愛してくれるのは」と話す。
番組内のスペシャルドラマ「ふたり」で夫婦役を演じているだけに、息もぴったり合っている。実は、2人とも星座がさそり座、血液型もO型で同じなのだ。
「お互い、マイペースなところがもろにO型ですよ。気を使わなくていい。一緒にいてもぼけーっとしている」(長瀬)
「私もマイペースってよく言われる。無理に会話しようとか思わないんです」(深田)
多くのテレビドラマに出演している2人だが、意外なことに、ドラマでの共演は今回が初めて。
「でも、バラエティー番組や雑誌の対談で会っているし、特にドラマだから、ということはない」(長瀬)
「ドラマの撮影だと、現場で一緒にいる時間が長いので、素の部分が見えて話しやすいです」(深田)
「ふたり」では、不慮の事故で両足がまひし、車いすの生活を余儀なくされた夫を長瀬が、夫を献身的な介護で支える妻を深田が演じる。
長瀬は、足が動かない状態を演じるのに苦労したという。
「実際に障害を持つ人に指導を受けたりしましたが、どうあがいても本人の気持ちにはなれないし、想像するといっても現実とは全然違うと思う。ドラマだからいい映像を、と考えるんじゃなくて、とにかく納得できるまでやり切ることを優先した」
一方の深田は、「撮影で訪れたリハビリセンターで、普段はあまり見かけないけど、車いすの方ってこんなにたくさんいるんだ、世間に出ていくことは難しいんだと思いました」と語る。
ドラマでは、夫婦が1冊のノートで日記をやりとりしていく。原作者の夫婦が実際に付けた日記のコピーを読んだ長瀬は、「面と向かって言えない本音をノートにぶつけ合っていったというのが印象的。ノートの存在が救いになった部分もあるんだと思う」と言う。
原作者夫婦にも会っている2人が、今回のドラマに参加して感じたことは――。
「車いすのこととかではなく、2人が出会ったことが運命だと思う。(ドラマを見れば)絶対優しい気持ちになれると思うし、2人の関係がうらやましいぐらい」(深田)
「本当にうらやましいと思う。苦労したことを全然感じさせないんです。みんながあこがれるような夫婦ですよね」(長瀬)
異口同音に語る姿から、ドラマを通じて改めて障害者の問題について考えた2人の思いが、ひしひしと伝わってきた。
文 福田 淳