日本語JPドメイン名とは汎用JPドメイン名の一形態で、漢字・平仮名・片仮名を使用し「日本語.JP」という形式で登録するドメイン名です。従来ドメイン名には、英字、数字、ハイフン(ただし、ハイフンは文字列の最初と最後には使用できない)しか使えませんでした。
しかし、世界的なインターネットユーザーの広がりにともない、英数字だけではなくさまざまな国や地域で日常的に使われている文字も使えるようにしたいという国際化(多言語)ドメイン名への要請が生まれました。そのため1998年頃から技術的な検討が本格化し、多くの国が国際的な協調の元議論を進めてきました。
JPドメイン名においては、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)にてその導入が検討され、2000年9月に導入方針案が作成されました。その後パブリックコメントによる各界からの意見の反映を行い、2001年2月22日、JPRSにて登録サービスが開始されることになりました。このサービスの開始にあたっては、制度の円滑な立ち上げと、予想される問題を事前に防止するため、以下のような手当てがなされました。
●予約ドメイン名の設定
日本語JPドメイン名においては導入時の混乱を避けるため、普通名詞の一部や一文字の仮名および都道府県名および政令指定都市名やいくつかの都市名、初等中等教育機関等の名称、国際的な政府間機関の名称、行政・司法・立法に関連する名称などを予約ドメイン名としました。これらの文字列の登録方針に関しては、一定期間を経た後に、これらの予約ドメイン名を登録できる状態にするかどうかも含めて対応を検討していくことにしています。
●事前登録申請期間の設定
事前の調整なしに通常の先願(先着順)登録申請を受け付けた場合、サイバースクワッティングなど商号や商標をめぐる紛争の多発や、受付開始直後に申請が集中することによる混乱が予想されたため、優先登録申請期間(2001年2月22日〜2001年3月23日)と同時登録申請期間(2001年4月2日〜2001年4月23日)という2つの事前申請期間を設けました。
優先登録申請期間には、商号等の登記された名称や、登録商標、個人の名前、大学名等のドメイン名の登録申請を、優先的に受け付けました。申請が競合した場合は抽選としましたが、この結果、当選した申請の根拠がルールに沿っていないと思われる場合は、異議申立を受け付ける制度も設けました。
同時登録申請期間には、期間内に申請されたものは全て同時に申請されたものとして扱い、申請が競合した場合は抽選としました。
この優先登録申請期間には約25,000件、同時登録申請期間には約65,000件の日本語JPドメイン名が申請され、そのうちの50,000件超が登録されました。
こうした事前の手当てにより日本語JPドメイン名は大きな混乱もなく導入が進み、2001年5月7日、先願による登録サービスが開始されるに至りました。
|