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MD（ミニディスク）を利用した
４トラック同時録音可能なミキサー一体型多重録音機

上位機種『MD8』の編集機能を継承しながら低価格化を実現

ヤマハ マルチトラックMDレコーダー『MD4S』

　

ヤマハ マルチトラックMDレコーダー『MD4S』
価格＝７９,８００円（税別）

１９９８年１０月

　当社は、MD（ミニディスク）を用いて、音質劣化のない４トラックの本格的なデジタル多重録音が楽しめる、ヤマハ マルチトラックMDレコーダー『MD4S』を、12月10日（木）から全国で発売いたします。

＜開発の背景と製品の概要＞

　マルチトラックレコーダー（以下MTR）は、複数の録音トラック（＝マルチトラック）を持っている機器で、録音済みのトラックの音を聴きながら別のトラックに別の音を録音（多重録音、注１）できるため、順番に録音を繰り返していけば、多数のパートで構成される音楽の制作が可能です。

　当社では、これまで主にアマチュア向けにカセットやMDによる数々のMTR製品を開発し、作曲やコンテストの応募テープ作りなどに欠かせない音楽制作機器として好評を得てきました。

　また、1996年には世界で初めてメディアとしてMD（注２）を採用し、デジタル録音により音質劣化がなく、扱いやすい４トラックのミキサー一体型マルチトラックMDレコーダー『MD4』を、また昨年には、これも世界初の８トラックの多重録音が可能な同『MD8』を発売しました。両機はデジタルならではの音質劣化の無い多重録音、スピーディな選曲、任意ポイントの頭出しや曲名表示などの充実した機能により、好評を博しています。

　今回発売する『MD4S』は、『MD8』の高度な編集機能を継承し、「ジョグ／シャトルダイヤル」の採用など、優れた操作性を実現したレコーダ部と、４メイン入力＋２ステレオ入力の計８入力、各チャンネルごとの高中低域の音質調整イコライザーなど、プロ用オーディオミキサーに匹敵する優れた機能を持つミキサー部を装備した、４トラックの録音・再生が行えるマルチトラックMDレコーダーです。

　価格面では、上位機種『MD8』の編集機能を継承しながら、従来機種『MD4』に比べ低価格化を実現しています。さらに、他の機器との同期機能を改良し、例えば『MD4』、『MD8』を接続して８トラック／12トラックの同時多重デジタル録音／再生を行うことが可能になりました。

　デザイン面は、使いやすいように操作面を傾斜させた新デザインを採用したほか、MD挿入部も操作パネルの中央にオートローディング・スロットインメカニズムを採用し、使い勝手を向上させています。

　詳細は以下の通りです。

＜主な特長＞

1.	ＭＤ ＤＡＴＡディスクによる高音質デジタル・４トラック録音を実現 　手軽に高音質の４トラックデジタル多重録音・再生が可能で、４種類の楽器音を個別に録音したり、バンド演奏などの４トラック同時録音もできます。さらに、空きトラックがなくても複数のトラック音をまとめて他のトラックに再録音していく「ピンポン録音」（注3）により、４種類以上の楽器音を録音することもできます。ピンポン録音を繰り返しても、デジタル録音のため音質の劣化はほとんどありません。 　録音形態は、MONO／2／4トラックの３種類から選択可能で、４トラックでは約37分の録音ができます（140ＭBytes MD DATAディスク使用時）。また、通常のMD（ミニディスク）への２トラック（ステレオ）録音・再生も可能です。
2.	スピーディーな作業を可能にする多彩な編集機能
	・	スピーディーな頭出しや編集が行える「ジョグ／シャトルダイアル」を新たに装備し、1/2倍から32倍までの「スキップ・キュー再生」（音を聴きながらの早送り／巻き戻し）が簡単に行えます。
	・	録音した内容に部分的なミスがある場合に、その箇所のみを録音しなおして修正する「パンチイン／アウト」録音が可能です。ディスクの空き容量次第で、最大99回まで何度でも録音し、最適な録音を選べます。
	・	曲ごとに10ポイントまで任意のポイントをマークし、瞬時に頭出しが可能な「マーク・サーチ」機能を搭載。指定ポイントは約１／１００秒単位で指定できます。さらに、曲の先頭と最後を加えた12ポイント間の任意の区間のリピートや再生の順番を指定する「キューリストプレイ」機能や、任意のトラックの指定区間を、別の位置にコピーする「パートコピー」機能によって、曲の構成や長さなどの変更も自在です。
3.	本格的な機能の８チャンネルミキサー部 　ミキサー部は、４メイン入力＋２ステレオ入力の計８入力。1、2チャンネルにはフォーンとプロ用マイクにも使えるXLR（バランス）の兼用端子を備え、チャンネル毎にエフェクトをかけられる「チャンネルインサートI/O」端子を装備しています。また、４メイン入力全てに高中低３バンドのイコライザーと、外部のエフェクターを接続する２系統AUXセンドを装備しており、高度な音創りが行えます。
4.	コンピュータミュージックとの連携やトラック数増加も容易な同期システムを装備 　さまざま同期信号フォーマットに対応し、容易にコンピュータミュージック・システムとの連携ができます。『MD4S』に録音したボーカルやギターの音と、コンピュータ側の電子楽器の自動演奏を同期させたり、パソコンから『MD4S』をリモートコントロールすることも可能です。さらに、『MD4』『MD8』と接続して同期運転を行い、録音／再生トラック数を増やすこともできます。
5.	簡単かつ快適な操作環境を提供する機能とデザイン 　従来機種からデザインを一新、シルバーメタリック色を採用しました。全体的に傾斜を付けた操作パネルに録音、再生、早送り、巻き戻しといったカセットテープレコーダ感覚の操作ボタンを配置し、誰でも違和感なく操作できます。また、MDの挿入部には新たにオートローディング・スロットインメカニズムを採用したのに加え、位置を操作パネル中央近くとし、使い勝手を向上させています。さらに、録音／再生レベルはもちろん、レコーダー部の各種設定や動作状況が一目でわかる大型の３色ＦＬ管（蛍光表示管）ディスプレイを装備しています。

＜価格と発売日＞

品　名	品　番	価　格	発売日
ヤマハ マルチトラックMDレコーダー	MD4S	７９,８００円(税別)	12月10日

◎初年度販売予定数　：30,000台

＜注＞

1)	多重録音
2)	MD ＭＤはＣＤと同等の優れた音質を有する光磁気ディスクで、コンパクトさとデジタル信号方式による音質の良さが特長です。ＭＤには、音楽の録音／再生用の「ＭＤ（ミニディスク）」と、コンピュータ等のデータ記憶媒体として使用する「ＭＤ ＤＡＴＡディスク」の２種類があり、マルチトラックMDレコーダーは「ＭＤ ＤＡＴＡディスク」を利用していますが、音楽用「ＭＤ」でのステレオ（２トラック）録音、再生も可能です。ＭＤは記憶してあるどの曲も即座に呼び出せる（ランダムアクセス機能）利便性をもち、取り扱いの簡便さ、機能の豊富さはカセットテープをはるかに上回ります。
3)	ピンポン録音

＜主な仕様＞

形　　式		12ch入力ミキサー付き ４トラック／録音／再生MDレコーダー
同時録音トラック数		４トラック
レ コ ー ダ ー 部	使用ディスク	MD DATA(Rec/Play)、MD AUDIO(Rec/Play)
	録音フォーマット	MD DATA System Audio Data Format／MiniDisc System
	再生フォーマット	MD DATA System Audio Data Format／MiniDisc System
	サンプリング周波数	44.1kHz
	最大録音ソング数	254
	録音モード	MD DATA Disc:4tr/2tr/Mono、MiniDisc:2tr/Mono
	再生モード	MD DATA Disc:4tr/2tr/Mono、MiniDisc:2tr/Mono
	最大録音時間	4tr=37min.、2tr=74min.、Mono=148min.
	ピッチコントロール	10％
	コントロール端子	PUNCH I/O(FC5対応)、MIDI IN/OUT/THRU
ミ キ サ ー 部	入力	MIC/LINE CH1,2(-10〜-50dB, XLR & TRS PHONE JACK) MIC/LINE CH3,4(-10〜-50dB,PHONE JACK) LINE INPUT(STEREO) CH5〜8(-10dB,PHONE JACK) INSERT IN CH1,2(-10dB,PHONE JACK) 2TR IN L,R(-10dB,RCA PIN JACK)
	出力	STEREO OUT L,R(-10dB,RCA PIN JACK) MONITOR OUT L,R(-10dB,RCA PIN JACK) TRACK DIRECT OUT 1〜4(-10dB,RCA PIN JACK) INSERT OUT CH1,2(-10dB,PHONE JACK) AUX SEND1,2(-10dB,PHONE JACK) PHONES(100mW+100mW,STEREO PHONE JACK)
	チャンネルイコライザー	3BAND, 15dB(LOW:100Hz, MID:2.5kHz, HIGH:10kHz)
総 合 特 性	周波数特性	+1, -3dB, 20Hz〜20kHz
	Ｓ／Ｎ	96dB(TYPICAL)
	全高調波歪率	0.02%(1kHz)
	チャンネルセパレーション	80dB以上(1kHz)
そ の 他	外形寸法	413W×109.5H×388Dmm
	重量	5.2kg
	電源電圧／消費電力	AC100V, 50/60Hz・20W

この件に関するお問い合わせ先

ヤマハ株式会社

■一般の方のお問い合わせ先

音響システム事業部	営業部　三田、宮脇
	〒438-8650	静岡県浜松市中沢町１０‐１
	ＴＥＬ	053-460-2455

■報道関係の方のお問い合わせ先

広報部	関、星野、伊藤、萩原
	〒108-8568	東京都港区高輪2-17-11
	ＴＥＬ	03-5488-6601