【EPISODE 47】 「決意」2001/1/7

脚本:荒川稔久 / 監督:石田秀範

未確認生命体第46号(カブトムシ種怪人ゴ・ガドル・バ)の事件から約1ヶ月半ーーー冷たい雨が降り続く中、第0号(究極の闇をもたらす者 ン・ダグバ・ゼバ)によるものと思われる殺人事件が続いていた。何の規則性もなく全国各地に出現しては人々を体内から発火させ焼殺す第0号に対して、警察は何ら有効な対抗策を見出せず、黒の金のクウガに変身して戦いを挑んだ雄介もあっけなく敗北を喫した。
被害者は既に3万人を超え、人々の笑顔は消えていた。これが、第0号がもたらすという「究極の闇」なのか?

そんなある日、雄介はある決意を胸に、降りしきる雨を突いてBTCS2000を走らせていた。
第0号を倒して人々の笑顔を守るためには、超古代の碑文に記されていた「凄まじき戦士」=いつか雄介が幻で見た黒の4本角の戦士に変身しなければならない……それは、雄介自身が「究極の闇をもたらす者」になってしまう可能性を含む危険な決意だった。

雄介が訪れたのは、恩師神崎が勤めている栃木県内の小学校だった。
雄介は神崎に、今度こそ絶対に第0号を倒そうと思っていること、戦いが終わったら暫く冒険に行こうと思っていることを告げる。雄介の胸の奥に秘められた決意の強さを察した神崎は、「みんなの笑顔のためにな!」と、優しい笑顔と力強いサムズアップで雄介を送り出す。

一方、気象庁と協力して第0号の所在を検知するレーダーシステムの完成を急ぐと共に、未確認生命体関連の情報収集を進めていた警視庁合同捜査本部の一条たちは、江東区内の未確認生命体監視カメラがB群1号(=バラのタトゥの女)らしき影を捕えたという連絡を受け、現場付近に急行する。
神崎のもとを後にした雄介は、次に科学警察研究所の榎田ひかりを訪ねていた。
相変わらず忙しそうなひかりだが、家に帰った僅かな時間にはホットケーキを作ったり散歩をしたりして、一人息子の冴(さゆる)と楽しく過ごしているらしい。ひかりの明るい表情を見て、雄介も心を和ませる、しかし、話題が未確認生命体のことになると、ひかりの表情は曇った。仕事とはいえ、この1年間、次々と強力な殺戮兵器を開発し続けて来たことに対して疑問を抱いていると言うのだ。
そんなひかりに雄介は力強くサムズアップし、「大丈夫!もうじき0号いなくなりますから!そしたら今度作るのは、冴くんと思う存分ホットケーキですよ!」と笑顔を見せる。

わかば保育園では、雄介の妹のみのりが、第0号の殺戮が続く世の中に対する不安を口にする子供たちを笑顔で励ましていた。その瞳には、明るい未来を信じる強い意志が宿っていた。

科警研を後にした雄介は、今度は関東医大病院の椿のもとを訪れていた。
レントゲン写真で改めて雄介の腹部を検査した椿は、黒の金のクウガに変身して第0号と戦った時に亀裂が入ったアマダムの損傷がまだ完全には回復しておらず、変身は出来るものの弱点ではある、と説明する。それを聞いた雄介は何事かを確信したようであった。雄介の態度の中に深い決意を感じた椿は、この1年間、未確認生命体に殺され、夢や希望や可能性を絶たれた人々の遺体を見続けて来て感じた思いを口にする。
椿の思いを受け止めた雄介は、真摯な瞳で「色々とありがとうございました」と一礼する。
B群1号が目撃されたという地点の周辺にある廃アパートを捜索していた一条は、大量の百科事典や歴史書、世界地図などが積まれた部屋に潜入し、そこで未確認生命体のものと思われる文字が記された何らかの文書と思われる皮を発見する。

降りしきる雨の中、雄介はポレポレに帰って来た。だが、すぐには店に入らず、しばし思いを巡らせる。やがて心を整理し扉に向かって歩み出した雄介の顔には、穏やかな笑顔が浮かんでいた。

同じ頃、第0号(人間体)は長野県庁前に現れ、無邪気な笑顔を浮かべて新たな殺戮を開始しようとしていた。

 

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