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標高604m、アイヌ語で「霧のかかる峰」という意味を持つ宇霊羅山の東麓に開口している龍泉洞は、すでに知られているところだけでも3,600mの長さがあり、日本3大鐘乳洞の一つで国の天然記念物にも指定されている。この洞内で湧き出た水は主洞に沿って地下水流となり、数カ所で深い地底湖を形づくっている。その中でも第3地底湖は水深98m、第4地底湖(非公開)は日本一の120mで、世界でも有数の透明度である。
龍泉洞から湧き出した水は岩泉町内中心部1,600世帯以上の水道水として利用されている。また、昭和61年からペットボトル詰めのミネラルウオーターとして商品化され、カルシウム分を多く含み、弱アルカリ性のおいしい水として全国に市販されており、国際食品品評会(モンドセレクション)において大金賞を受賞するなど世界も認めた日本の名水である。
毎年GW・夏・秋に龍泉洞まつりが行われている。また、1月の第2日曜日には、「龍泉洞みずまつり」が行われ、立志式を終えた地元の中学生たちが担ぐ長さ30mの龍舞行列や下帯姿の男衆が龍泉洞の水で体を清めた後、龍泉洞内から汲み上げた水を搬送隊の手により町内まで運ぶ行事が行われている。
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水質・水量は選定当時とほぼ変わらず良好な状態を保っており、水質はカルシウムを多く含む弱アルカリ性。水量は1万7千m3/日以上の流量を有している。
土地の人々は、龍泉洞のことを別名水が湧き出る意味でワックツ(湧口)と呼びしたしんでいた。昭和12年、当時「湧口」調査を行うため、文部省から派遣された脇水哲五郎博士により、龍には水神、泉洞には泉の湧く洞穴の意味から「龍泉洞」と名付けられた。
龍泉洞のある宇霊羅山周辺は、石灰岩地帯特有の植物等が生殖していることから、岩手県自然環境保全地域に指定されており、自然保護指導員が定期的に巡視活動を行い、自然保護に努めている。また、龍泉洞内は観光施設として一般公開されており、以前は町直営で管理運営されていたが、現在は民間に管理運営が委託されており、洞内の巡視と清掃活動を随時行い龍泉洞の水の保全活動に努めている。
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