民進党「新党結成」構想はやはり不発に終わる 蓮舫氏は離党・立民入り、予備軍も続々

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枝野氏は21日の日本記者クラブでの記者会見で、10月の衆院選直前に民進党が3分裂したことについて「1996年の民主党結党から続いてきた『大きな塊論』の行き着く先が分裂だった」と総括。「政権交代を自己目的化した結集論で国民の支持を失った」と指摘した上で、「我々が主張した『真っ当な政治』に集まった支持に応えるためにも、小さな政党での草の根からのチャレンジが最優先」と、民進再結集論を否定した。

一方、枝野氏に続いて22日に記者会見した玉木氏は「我々が目指すのは『中道のど真ん中』の政党」と強調。古巣の民進党について「ここ数年間、左に寄りすぎたきらいがある。コオロギは食えても、イデオロギーで飯は食えない」と冗談交じりで批判し、リベラル勢力とは一線を画す「寛容な改革保守」政党として政権交代を目指す立場を明確にした。

枝野氏「希望とだけは一緒にやれない」

ただ、政策マンらしい両氏の政治理念や政策アピールの裏側には、民進3分裂の際の感情のもつれも際立つ。玉木氏は「特別国会での与野党攻防をみても、やっぱりバラバラではダメ」と将来の再結集への期待を隠さないが、枝野氏は「希望とだけは一緒にやれない」とにべもない。希望の党を結党した小池百合子東京都知事に排除されたことが立憲民主結党の原点だからだ。

メディア各社の世論調査でも立憲民主の政党支持率は10%前後を維持しており、1~2%に低迷する民進、希望の両党に大差をつけている。このため枝野氏は「わが党の政治理念や政策に共感する議員の入党は歓迎する」と野党第1党としての勢力拡大に意欲を示す。すでに、有田芳生、江崎孝、風間直樹各参院議員が民進を離党し、立憲民主入党の手続きを取ったが、「枝野氏の引き抜き」(民進執行部)とみられている。

さらに、無所属の山尾志桜里衆院議員(元民進党政調会長)も26日に立憲民主に入党した。同氏は9月の民進党代表選後にいったん幹事長就任が内定しながら、週刊誌に報道された「ダブル不倫疑惑」で離党し、衆院選を無所属で戦って当選した。選挙後は無所属のまま立憲民主の会派に所属して活動していたが、党執行部が山尾氏入党に踏み切った。

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