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第72回 ─ COUNTDOWN JAPAN 05/06@幕張メッセ 12月29日(木)~31日(土)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2006/01/19   20:00
更新
2006/01/20   20:31
テキスト
文/伊藤浩太郎、内田暁男、久保田泰平、もりひでゆき

3回目の開催にして初の全日ソールドアウトを記録し、その規模と人気を着実に拡大してきた年末フェス〈COUNTDOWN JAPAN 05/06〉。EARTH、GALAXY、MOONの3ステージにて、いまの日本を代表する全86アーティストが繰り広げた熱狂の響宴は、2005年と2006年を繋ぐ最高の架橋となりました。計75,000人を動員した3日間のうち、12月30日(金)、31日(土)の模様をレポートです!

12月30日(金)

POLYSICS


  開演10分前、幕張メッセ到着。厚着のまんま駆け込んだGALAXY STAGEは、すでに熱気ムンムン(汗)。この日最初のアクトか?ってぐらいあったまりすぎだ。4人が登場すると、その熱はさらに上昇。とくに2曲目“シーラカンス イズ アンドロイド”のイントロでドーッ!と沸くと、そこからは怒濤のエレクトリック・ビートの波、波、波。海の向こうでも通用する腕っ節の強さを遺憾なく見せつけたさすがのステージングで、ラストの“BUGGIE TECHINICA ”まで一気に!*久保田

VOLA & THE ORIENTAL MACHINE


元ナンバーガール~ZAZEN BOYSのアヒト・イナザワによる新バンドということもあり、MOON STAGEは開演前から超満員。期待に満ちた熱い視線が注がれるなか始まったステージは、“A communication refusal desire”をはじめ、リリース間近のミニ・アルバムからのナンバーを披露。エコー&ザ・バニーメンのカヴァー“The Back Of Love”もはさみつつ、かなりのインパクトをオーディエンスに焼き付けたであろう、圧巻のパフォーマンスでした。*久保田

曽我部恵一バンド


  ニッコリと満面の笑みを見せ、まずはひとりでステージに現れた曽我部恵一。1曲目は、ありったけの大声で歌い叫ぶ“ジュークボックスBLUES”。彼の〈カッコつけない〉パフォーマンスに、オーディエンスの身体も自然と反応する。バンドが合流してからの“ハルコROCK”、ホーンを前面にフィーチャーした“世界のニュース”、大合唱へと導く“テレフォン・ラブ”……とにかく楽しそうに演奏する姿につられて、見てるこっちもニッコリでした。*久保田

スネオヘアー


  2005年の〈ROCK IN JAPAN FES.〉を病欠したこともあって、リヴェンジの意味合いを大いに含んだこの日のステージ。最新アルバム『カナシミ』からのナンバーを中心に、名曲“フォーク”なども交えながら、納得のパフォーマンスを披露してくれました。時事ネタを盛り込んだMCでしっかり笑わせてもらいながら、いい歌いい演奏に酔いしれたひととき。彼のステージを見て、ようやく2005年が終わっていくんだなあと実感した次第でした。*久保田

椿屋四重奏


  紅に染まったステージに躍り出てきたのは、そう、中田裕二率いる椿屋四重奏。アルバム『薔薇とダイヤモンド』からの“プロローグ”で始まったステージは、“成れの果て”、本人いわく〈小ヒットした〉シングル曲“紫陽花”など、艶なギター・ロック・サウンドを惜しみなく展開。中田がギターからハンド・マイクに持ち替え歌う“螺旋階段”“踊り子”では、色っぽいアクションを見せオトメ心を直撃。ラスト・ナンバーは“小春日和”。名曲に季節は関係ナシ。*久保田

CORNER


  個人的にはこの日のベスト・アクトと呼びたい、元HUSKING BEEの磯部正文が始動させたユニットによる静かで熱いパフォーマンス。アコギ2本、ウッドベース、キーボード、ドラムといったいわゆるアンプラグド・スタイルの編成から、スパニッシュ~ボッサ~カントリーと次々に繰り出される豊穣なアンサンブルは、パンク/ハードコア以降の感性で昇華されているからこそ終始ヒリヒリとした熱を帯びている。終盤で披露された新曲“散るチル満ちる”の迫力からして、ファースト・アルバム『走るナマケモノ』に続く新作の密度は相当濃い、とみた。*内田

HIFANA


  「クラブ・ミュージック代表ってことで」というMCが彼らの美学を表していた。ターンテーブルによるスクラッチやジャグリング、MPCによるパッド演奏、生パーカッション演奏とVJによる目くるめく映像が目と耳を刺激しまくる極上エンターテイメント! 和太鼓の4つ打ちに三味線、祭り囃子などが被さるKEIZO曰く「お正月気分」な“WAMONO”の他、リアルタイムで撮影された手を振るオーディエンスの高速リピートや、ロボ声から圧縮スプレー声までさまざまに変調された声で煽るKEIZOのMCなどチープながらも飽きさせることのない演出も楽しすぎだった。*内田

キリンジ


  およそ1年ぶりのステージも、血気盛んなヤングたちが多いこのフェスでどういった歓迎を受けるのか気になるところだったんですが……心配は無用でした。“あの世で罰を受けるほど”を皮切りに、“奴のシャツ”“冠水橋”など心あったまるポップ・ソングの数々で、Tシャツ&タオルという典型的ライヴ仕様のオンナのコたちの耳をもしっかりとつかまえていたようです。“Drifter”のイントロが鳴った瞬間、会場がドッと沸いたのもステキな光景でした。兄・高樹のソロ・アルバム『HOME GROUND』からのナンバー“絶交”を弟・泰行が歌うというフェス向けのサービスにはまいりました。最高です。*久保田

Theかまどうま/エレクトリック・カマドウマ


  くるりの岸田繁とくるりバンドのキーボードとしてもお馴染みの堀江博久による二人組ユニットだけあって、こじんまりしたMOON STAGEも最後尾までビッシリ。奥田民生“息子”、スーパーカー“Lucky”、京都の民謡“竹田の子守唄”などを、アコギの岸田とメロディカの堀江(音の絡ませ方が絶妙!)がリラックスしたムードで次々と弾き語っていく。白眉はビートルズ“Love Me Do”終わりから。岸田がドラムに、堀江がエレキ・ギターにパート・チェンジし、ジミヘンかホワイト・ストライプスかっていう狂乱のジャム・セッションに突入し、目と目でタイミングをアイコンタクトしながら二人の〈ロック・スター〉がキレまくる。スカッスカながらも、本フェス最小単位のロック・アクトが巻き起こした熱狂はビッグ!*内田

PENPALS


  僕が知っている限り、アタマに〈P〉がつくバンドが、2005年に3つなくなった。そのひとつが、この日のステージが最後となるPENPALS。2日目、GALAXY STAGEのトリを飾った彼らのステージは、“Astro Motel”“Cars”“70 times”“I Guess Everything Reminds You”と、いきなりファースト・アルバムのアタマ4曲立て続け! その後も、MCナシで畳みかけるあの曲この曲で、会場いっぱいいっぱいに入ったオーディエンスを揺らしまくり、泣かせまくり。セカンド・アルバム『アメリカマン』のジャケと同じラガーシャツに着替えての“Tell Me Why”なんて、ちょっとどこじゃない涙モノでしたよ。*久保田

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