礼文島には桃の形をした巨岩「桃岩」がある!桃台猫台展望台へ!

【礼文町】礼文島南部には、桃の形をした巨岩「桃岩」があります。その姿を確認できるのが、礼文島香深とは逆側の西海岸の、標高50mほどの高さにある「桃台猫台展望台」[地図]です。この展望台からは「桃岩」だけでなく、海岸の「猫岩」、「地蔵岩」方面の元地漁港と集落を見ることができるビューポイントとなっています。

▼桃台猫台展望台からは、桃岩、猫岩、地蔵岩を望むことができる

桃の形に見える巨岩「桃岩」

桃岩は、その名の通り、桃の姿に似ている球体状の岩です。その大きさに圧倒されてしまうほど巨岩です。そのサイズは、高さは249.6m、幅最大300mほどあるといいます。学術的には、潜在円頂丘「桃岩ドーム」とも呼ばれ、岩自体は海底の柔らかい堆積物とマグマによって形成され、隆起したものとされています。球状節理が表面を取り巻き、柱状節理になっている岩の内部は浸食でむき出し状態になっているわけですが、潜在ドームの内部を見ることができるのは大変貴重です。

この展望台から見ると、頂上部が桃のようにとんがっているように見え、よーく見ると、層のように段状になっていることがわかりますし、中心(核)が桃の種のように見えるとの声も。周囲を見ると、丘陵の中から桃岩が飛び出しているかのように見えます。


なお、桃岩の形を見るならこの「桃台猫台展望台」がベストですが、これと別に「桃岩展望台」という場所が桃岩の頂上付近の崖上にあり、東側から桃岩を見ることができます。ただ、そこからは桃岩を見上げるのではなく、頂上部を少し見る程度で、桃の形には見えません。つまり角度によってその見せ方を変える岩でもあります。同展望台からは、利尻島の利尻山を見ることができ、またこの記事で紹介している桃台猫台展望台とその先の猫岩も見下ろすことができます。

まとめると、桃岩を上からも下からも見られますが、桃に見える桃岩を見たい人や桃岩を見上げるなら桃台猫台展望台、桃岩の頂上を見渡したり海を見下ろすなら桃岩展望台がオススメです。

レブンアツモリソウ、レブンウスユキソウといった固有種をはじめ、300種の高山植物も観察できるのが桃岩の特長の一つ。桃岩周辺が礼文島を代表する花畑とも呼ばれるほどで、1959年に北海道文化財に指定されていますので、植物などを採取することは禁止されています。

なお、この桃岩には、アイヌの戦闘が行われた地でもあります。後志から島に上陸した磯谷アイヌが香深南部の尺忍地区を制圧したのち桃岩付近に立てこもったのが発端となり、礼文・香深井アイヌがここ桃岩で磯谷アイヌ軍に対し先制攻撃を仕掛け破った戦いです。宗谷アイヌ・利尻アイヌ両酋長が仲裁したことによって、島に平和が戻ったとされています。

猫背な岩「猫岩」


桃台猫台展望台から、桃岩を見上げることができますが、今度は海岸に注目してみましょう。桃岩荘ユースホステルのある南方向の海に目を落とせば、「猫岩」を見ることができます。桃岩と違って大きいわけではないですが、海の上に立っている奇岩で、耳が二つあるように見え、猫が背を丸めて座り、日本海を見つめている様子がわかります。

アイロンに見える「地蔵岩」


猫岩と逆側の北側の海岸線を見てみると、元地集落と漁港の先の断崖に、高さ50mほどの「地蔵岩」があります。桃台猫台展望台から見ると、アイロンを立てているかのような形の岩なのですぐわかるかと思います。ただ、本当は地蔵が手を合わせて拝んでいる姿に似ていることから命名されています。断崖とは少し離れて立っている岩ですので、影が見えます。横から見ると板のように見えます。

なお、落石の危険性があるため、地蔵岩のそばまで行くことはできません。ちなみに周辺海岸ではかつてメノウ石が確認されており、「メノウ浜」とも呼ばれています。

▼映像で桃岩と猫岩と地蔵岩を見る