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WORLD PC EXPO 2000会場レポート

日本語対応のMac OS X Public Betaを披露したアップルコンピュータ
~ 日本語対応版の販売はApple Storeで21日からスタート ~

会期:10月17日~21日(17日は特別招待日)
   10:30~18:00 (10月21日は17:00まで)

会場:東京ビッグサイト 東1~6ホール 西3ホール

入場料:1,500円

■ Mac OS X Public Betaは、21日からApple Storeで販売

 大手PCメーカーの多くが4~6ホールに位置するパーソナルパークにブースを構えるなか、アップルコンピュータはビジネスパーク(1~3ホール)に出展社中最大のスペースを確保して展示を行なっている。展示のなかでも特に来場者の注目を集めているのは、同社の次期オペレーティングシステム「Mac OS X」だ。ほぼひと月前の9月13日には、英語、フランス語、ドイツ語に対応したPublic Betaを欧米でリリース。それ以降、非公式ながら日本語対応版の出荷を10月と明かしていただけに、国内での大型イベントであるWORLD PC EXPOでの発表に注目が集まっていた。

 同日、アップルコンピュータはニュースリリースを発表し、10月21日の午前10時から、日本語をシステム言語として設定できる「Mac OS X Public Beta」を、同社のオンラインストア“Apple Store”から購入できるようにするとアナウンスした。価格は、3,500円 (税別) 。米国での価格が29.99ドルであることを考えれば、妥当な価格設定といえる。
 なお、10月21日(土)と22日(日)の2日間に限り、新宿タカシマヤに特設されるオンラインストア“Apple Store”でも、「Mac OS X Public Beta」が購入可能だ。これは、その場でMac OS Xを手にできる数少ないチャンスでもある。販売時間は、両日ともに午前10時から午後7時30分まで。タカシマヤ1階の正面入り口ホール「iStyle in Times Square」が会場となる。

 フランスで開催されたApple expoのようなブース内での販売こそ実現しなかったが、Mac OS Xをインストールしたブース内のデモ機には常に来場者が鈴なりで、定期的に行なわれるプレゼンテーションステージにも、数多くの立ち見がでるほど。これらのデモでは、これまでの英語、フランス語、独語に加え、日本語、スペイン語、イタリア語、オランダ語をシステム言語として設定できるPublic Betaが利用されている。週末から販売が行なわれるものと、ほぼ同等のものと考えていいだろう。ちなみに、OSのビルドナンバーも欧米地域で提供されているPublic Betaよりも更新されたものとなっている。

 結果として、Public Betaを直接入手するチャンスは、多かれ少なかれPC業界に関わる人々が集まるWORLD PC EXPOではなく、週末の百貨店店頭へと委ねられた形だ。熱狂的なMacユーザーなら、いずれの会場であっても足を運ぶことだろうが、WORLD PC EXPOに集うWindowsやLinuxをメインプラットフォームとするユーザーや関係者にMac OS Xをアピールし、実際に触れてもらう機会は失われたといえる。仮にブース内で販売が行なわれていれば価格が手ごろなこともあり、通りがかりに手にしてくれる非Macユーザーも少なからず存在したことだろう。Public Betaの目的のひとつに、使用者からのフィードバックを得ることがある。かつβ版という性格上、ビギナーには決して推奨できる製品ではなく、中上級者がメインターゲットだ。百貨店店頭という試みは不特定多数の人々への紹介という点では効果的だが、果たして現段階でそれが必要なのだろうか? β版という製品の性格とは必ずしも一致しないようにも思える。

プレゼンテーションステージのスクリーンには、プレゼンテーションの合間に放映中のCMの上映と、Public Beta販売の案内が映し出される Mac OS Xそのもののデモンストレーションコーナーは、こうしたコーナーがふたつだけ。そのため、つねに来場者で人垣ができている システム言語を日本語にすることができる日本語対応のMac OS X Public Betaの画面。21日からApple Storeで販売が開始される



■QuickTime 5のプレビュー版の配布もスタート

 アップルブース内の展示は、G4 CubeとiMac DVを使ったデジタルビデオのソリューションに大きなスペースが割かれている。他に円形の島のようにしつらえたお馴染みのエリアで、iBook、PowerBookのそれぞれが紹介されている。Apple Storeでの限定販売になっているキーライムのiBookを直接目にする機会はまれなこともあって、製品スペックではなく本体カラーに対しての質問をする来場者が少なからずいたことは印象的である。

 こうしたブースの一角に、QuickTime 5のデモを行なっているエリアがある。米国では先行して公開プレビュー版のダウンロードが始まっていたが、この日、日本でもQuickTime 5の公開プレビュー版がリリースされた。すでに、同社のホームページからダウンロードが可能になっている。最新バージョンの特徴は、いつでも簡単に新しいプラグインを追加できるコンポーネントダウンローダー、Flash 4コンテンツへの対応、上下方向への対応を拡大したCubic VR、新しいWeb用コーデックのサポートなど。今回公開されるプレビュー版はMacintoshにのみ対応し、Windows版は年末までに提供が開始される。正式版のリリースは、2001年の初めが予定されている。

一般ユーザーが直接目にする初めての機会となるiBookのキーライム。やはりスペック以上にそのカラーに注目が集まっている QuickTime 5のデモコーナー。Mac OS Xほどには注目が集まっていない。横のデモコーナーからストリーミングで映像を流している QuickTime 5に付属するPlayer。ウィンドウのインターフェイスがAQUAのようになっているが、これはMac OS 9上で動作している。インターフェイスの移行過程による措置とのことだが、混乱を生む可能性も否定できない


□WORLD PC EXPO 2000のホームページ
http://wpc.nikkeibp.co.jp/wpc/
□アップルコンピュータのホームページ
http://www.apple.co.jp/
□WORLD PC EXPO 2000に関するリリース
http://www.apple.co.jp/news/2000/oct/13wpc2000.html
□Mac OS Xのホームページ
http://www.apple.co.jp/macosx/index.html
□Mac OS X Public Beta配布開始のリリース
http://www.apple.co.jp/news/2000/oct/17macosx.html
□新宿タカシマヤでのMac OS X Public Beta配布のリリース
http://www.apple.co.jp/news/2000/oct/17macosx_applestore.html
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【9月4日】Apple expo 2000 展示会場レポート
Mac OS Xのパブリック・ベータを買い求める長蛇の列も……
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000914/paris02.htm

(2000年10月18日)

[Reported by 矢作 晃 (akira-y@st.rim.or.jp) ]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp